活動性の判断に至らず 北電志賀2号機断層審査

志賀原発2号機の敷地内断層について協議した審査会合=東京都内

■規制委 再度資料求める   原子力規制委員会は25日、北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の新規制基準適合性審査(安全審査)の会合を都内で開き、原発敷地(陸域)の断層6本について議論が行われた。北電側が鉱物脈の追加調査のデータなどを示し、いずれの断層にも活動性がないと主張。規制委側はさらに説明が必要とし、データの追加や資料の再整理を求め、個々の断層の活動性判断には至らなかった。(経済部・浜松聖樹)

 会合は10回目で、6月以来約4カ月ぶり。これまでの協議で陸域で評価の対象となる断層は「S-1」「S-2・S-6」「S-4」「S-5」「S-7」「S-8」の6本で確定している。

 北電は、断層を横断する鉱物脈の追加調査を対象の6本全てで実施。鉱物脈は600万年より前に生成され、変位や変形はなかったと説明した。地層が残されている「S-1」「S-2・S-6」「S-4」で行った上載地層の調査も含め、断層は6本とも「後期更新世(12~13万年前)以降の活動は認められない」とした。

 規制委側は、鉱物脈について最も新しい面にあるかどうかや、しっかりと断層を横断していることが重要などと指摘し、北電側に資料の補足や整理を求めた。「S-1」について、海側の地点での調査が必要とする意見も出された。

 会合後、原子力規制庁の担当者は北電が示した鉱物脈のデータについて「次回以降に本格的な審査となるが、今の説明資料では読み取れないため、追加の必要性を伝えた」と述べた。

 次回会合では、陸域に加えて海岸部についても議論する見通し。

■北電「考え方は 理解いただけた」  北陸電力の石黒伸彦副社長原子力本部長は会合後、報道陣の取材に応じ「考え方はある程度、理解していただけた。大きな前進だと思う」と話した。

 断層の審査を巡ってはこれまで、活動性を評価する対象をどうするかなどの入り口の議論にとどまっていた。石黒氏は長い期間をかけて追加の調査や検討、専門家からの指導を受けてきたことを強調。規制委側からの指摘については「早急に資料の中に盛り込んで説明したい」と述べた。

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