大手など幅広く内定 長崎県立大新設学科 来春卒業生

 長崎県立大(木村務学長)は、学部学科の再編初年度に入学し、来年3月に卒業予定の4年生の就職内定状況(9月末現在)を明らかにした。国内で初めて設置した情報システム学部情報セキュリティ学科や、高い英語力を卒業要件に定めた経営学部国際経営学科は、東証1部上場など大手企業への内定が目立った。県立大は「IT技能や語学力など企業が求める人材を育成してきた成果が出ている」と分析する。
 同大は2016年4月に3学部7学科を5学部9学科に再編した。再編初年度の入学生は来年の3月に卒業する。
 情報セキュリティ学科は、国家機関や企業へのサイバー攻撃に対応できる人材の育成を目的に設置した。内定率は96.9%で、NECやインターネットイニシアティブなど情報分野の大手企業のほか、製造業や運輸業に内定した。
 同科は3年次の選択科目に3週間程度の企業インターンシップがある。内定先のうち、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ、住友電装、あずさ監査法人などは、インターンシップで受け入れた学生に内定を出した。山田譲二学生支援部長は「企業からは、学生の力を見ることができたという意見もいただいた」と語る。
 国際経営学科は、卒業要件にTOEIC730点を課している。内定率は85.1%で、NECやSMBC日興証券、NTTコミュニケーションズグループ、JAL、富士通ゼネラルなど幅広い業種に内定した。
 全体の内定率は84.1%。一方、県内の内定率は25%にとどまり、昨年度の34.4%を下回る可能性が高くなっている。山田部長は「全体の内定状況は高く評価できるが、グローバル人材の育成と県内就職促進の両立は難しさも感じる。学生が希望する企業に就職できるよう、情報提供などをしていきたい」としている。   

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