ジェイ・キャスが富山-関空便計画  21年秋、1日4往復

あいさつする白根氏(右)=ANAクラウンプラザホテル富山

 航空会社の設立準備会社、ジェイ・キャス(東京)は28日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山で説明会を開き、富山空港と関西国際空港などを結ぶ路線の開設計画を紹介した。県内企業などから30億円を調達し、早ければ2021年秋に富山-関空線を1日4往復で就航するとした。

 初年度はジェットエンジンでプロペラを回すターボプロップ機(76席または86席)を2機リースし、社員104人体制でスタート。2年目に2機増やし、富山と中部国際(1日4往復)、新潟(同2往復)、仙台(同2往復)の各空港を結ぶ構想を披露した。

 説明会には三協立山やトナミホールディングス、北陸銀行、YKKなど30の県内外の企業・団体から約40人が出席。白根清司社長は、富山空港について「富山の真ん中にありアクセスが便利だが、十分に活用されていない」と指摘。観光・ビジネスや訪日外国人客の需要が見込めるとした。

 飛行時間が50~60分の関空、中部便ともJR並みの運賃とし、時間的な優位性を打ち出す。収支計画では搭乗率60%を前提に2年目に黒字化し売上高66億円、営業利益4億円を見込む。

 白根氏は、調達する30億円のうち15億円を複数の県内企業の出資、残りを政府系金融機関などからの借り入れや出資で賄う考えを示した。

 国内では新規航空会社が就航前に資金調達のめどが立たず断念するケースがあった。日航出身でスカイマーク設立に携わった白根氏は「経験が足りなかったと思う。30億円のビジネスであることも大きな違いだ」と話した。不足するパイロットの確保については航空自衛隊の退役パイロットを採用するとした。

 初年度は富山路線に加え、関空-能登(同1往復)、米子(同3往復)、岩国(同2往復)の各路線も開設する方針だ。

 ジェイ・キャスは18年10月に設立し社員が3人。資本金2千万円。今後、国土交通省に航空運送事業の許可を申請する予定。

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