メキシコWLで濱矢VS関根の“DeNA対決”が実現 快投の濱矢「投げやすかった」

メキシコのウインターリーグに参加し「ベナードス・デ・マサトラン」でプレーしているDeNA・濱矢廣大【写真提供:ヤキス・デ・オブレゴン】

濱矢は初登板で4回1安打1失点3奪三振4四球の快投「ものすごく投げやすかった」

 メキシコのウインターリーグに参加し、ベナードス・デ・マサトランに所属している横浜DeNAベイスターズの濱矢廣大投手が27日(日本時間28日)、ホームで行われたヤキス・デ・オブレゴン戦に初登板した。先発として4回67球を投げ、1安打1失点、3奪三振、4四球。勝敗はつかなかった。試合はオブレゴンが3-2で勝利した。

 太平洋に面した街、マサトランの本拠地で7074人の観客が見守る中での登板。初回は、オブレゴンの先頭打者の三塁後方へのフライを三塁手が落球し、二塁打となる不運な立ち上がりとなった。同じDeNAでチームメートの「2番・中堅」関根大気外野手が犠打で走者を進め、3番の元メジャー、ブラジル代表のパウロ・オルランド外野手に中堅への犠飛を打たれて先制点を献上した。

 だが、2回以降は四球で走者を出しながらも、三塁は踏ませないピッチングを続けた。球数が70球前後をメドとされていたため、4回までの登板となったが、メジャー経験者2人がいるオブレゴン打線相手に、許したヒットは初回の不運な1本だけ。日本よりも高い慣れないマウンドでしっかりと試合をつくった。

「正直、疲れました。自分の思っているボールは少なかったですが、しっかり4イニング投げられて良かった」。メキシコのボールは日本のボールよりも若干大きく、乾燥していて投手にとっては扱い難いと言われているが「ボールの違いは気にならなかった」。だが、マウンドの高さには苦戦したようで、ボールが高めに浮く場面もあり「マウンドがすごく高くてアジャストするのに苦労しました」と振り返った。メキシコの球場は「ものすごく開放感もあって、すごく投げやすかった」といい「三振を取った時もファンの方が笛をふいてくれたりして嬉しかった」と、日本とは違うメキシコの野球文化も肌で感じたようだ。

 プロ6年目、26歳の左腕は今季、開幕直前に楽天からトレードでDeNAに移籍。1軍では2試合0勝1敗、防御率34.20。ファームではシーズン途中、リリーフから先発に回り、25試合1勝6敗2セーブ、防御率4.42の成績だった。メキシコには22日(同23日)に到着したばかりで、この日はまだ時差ぼけが残る中での登板となったが、今後もローテの一角に入り、先発として投げていく予定。メキシコでは、今季取り組んでいるフォームの安定性を高めていくことを課題にしていくといい「レベルの高い打者を抑えて自信をつけて日本に帰りたいと思っています」と、声を弾ませた。

関根は攻守で勝利に貢献「勝利の重みを感じられる瞬間があることが幸せ」

 一方、前日26日(同27日)の試合で4打数無安打に終わっていたオブレゴンの関根は、初回の犠打の後、2打席目は濱矢の外角への直球の前に見逃し三振。5回の3打席目には一塁への内野安打で出塁すると、7回の4打席目には四球で出塁し、後続の犠飛で決勝点となる3点目のホームを踏んだ。9回の5打席目は二ゴロだった。

 守備でも貢献した。6回に左中間への当たりを瞬時の判断で素手で取り、カットマンの遊撃手に好返球。一塁から生還を狙った相手走者の3点目の得点を阻止したことが、勝利にもつながった。

 関根は「5回にヒットエンドランのサインで(ワンバウンドのボールを)空振りしてしまっていたので(一塁走者が盗塁死)、得点に絡めたことよりも、やるべきことができなかったことが悔しい。ただ、3連勝できたことはめちゃくちゃ嬉しいです。全部1点差でしたし、日本とは違って1勝する毎にほかの選手とハグしたり、ハイタッチをして、勝利の重みを感じられる瞬間があることが幸せです」と話した。

 メキシコのウインターリーグは今季から2チーム増え、10チームで行われており、前後期の各順位に応じてポイントが与えられ、その合計ポイント上位8チームが1月から始まるプレーオフに進出できるシステム。この試合を終え、オブレゴンは前期リーグ8勝6敗で5位。マサトランは5勝9敗で8位となった。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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