【MLB】マドン新監督が挑む「3大チャレンジ」とは エ軍の問題点を米メディアが指摘

エンゼルスの監督に就任したジョー・マドン氏【写真:Getty Images】

最大の問題は、崩壊した先発投手の立て直し&スカッグス氏急逝の調査

 エンゼルスの監督に就任したジョー・マドン氏のセレモニーが24日(日本時間25日)、エンゼルスタジアムで行われた。「ESPN」は「エンゼルスの監督としてのジョー・マドンの3大チャレンジ」としてクリアすべき3つのポイントを紹介している。

 マドン氏はベンチコーチを務めていた2005年以来のエンゼルス復帰となり、セレモニーはボビー・グリッチらのOBや大谷翔平、アルバート・プホルスら現役選手も参加して盛大に行われた。しかし、記事では「このセレモニーは、お祝いの場であったが、今後しばらくは、マドンには多くの困難が待ち続けているだろう」と4年連続負け越し、10年連続ポストシーズン進出を逃しているエンゼルスの問題に言及している。

 エンゼルスが抱えている問題の1つは先発投手だ。17年はラミレスの11勝、18年はバリアの10勝、19年はペーニャの8勝がチーム最多勝でエース不在となっている。故障者も相次ぎ、開幕時のローテーション投手のほとんどが途中離脱する状態だった。もう1つの問題はスカッグス氏の急死に関連した法的な調査が行われていること。7月に遠征先のテキサス州ダラスのホテルで急逝したスカッグス氏に球団職員が禁止薬物を提供したとしている。

 記事では、「エンゼルス、特にオーナーのアート・モレノ氏は、球団の歴史の中でも最も暗い時期を任せる人物として、マドンがパーフェクトであると信じている」と伝え、マドン氏に待ち受ける3つのチャレンジを紹介している。

1.野球に集中すること

 マドン氏は、タイラー・スカッグス氏の件が今後、問題になるかもしれないことは面接では聞いておらず、質問もしなかったという。記事では「彼は、まず仕事を得てから、内部の人間になってから、質問するつもりだった。そのことが、彼の監督の仕事を受ける決断には影響しなかったからだ」とし、マドン氏も「過去の困難な状況からも逃げることはしなかった」「だから、今回もこのことが、決断を変える要因にはならなかった」としている。

 さらに、米麻薬取締局とMLBが調査をしていて、スカッグス氏の遺族が弁護士を雇ったことにも言及。「この件はおそらく長引き、より醜くなる可能性もある。そんな中で、マドンは野球に集中しなければならない」としている。

マドン氏はFA補強に積極的「正直にプレーヤーと話をすることが重要」と自信示す

2.GMと上手く協力しながらやっていくこと

 2番目は、ビリー・エプラーGMと上手く協力することが挙げられている。エプラーGMは、マドン氏と1対1で話す時間を設け「似たような考えを持って仕事をしていて、それを今後も続けていく」と語ったという。記事では、エプラーGMが以前からマドン氏と面識があったことを紹介し、面接ではお互いに正直であることを確認しあったという。

 マドン氏のアイデアとエプラーGMのプランが相容れないこともあるかもしれないが、GMは「強いチームを作るために自分がコントロールできる仕事に集中する」と語っていることから、新監督の様々なアイデアにも寛容だろうとしている。

3.フリーエージェント選手を魅了すること

 アストロズに対抗するには、FAによる先発投手の補強が必須となることだ。記事では、エンゼルスの地元であるオレンジカウンティ出身でアストロズのゲリット・コール投手が1番のターゲットだと言及。その他にも、ザック・ウィーラー(メッツ)、柳賢振(ドジャース)、マディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)らも候補で、スティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)がオプトアウトすれば、獲得の可能性もあるとしている。

 マドン氏は契約にこぎつけるカギを「正直にプレーヤーと話をすることが重要である」と話すなど補強に積極的。カブス時代には、ダルビッシュらとの長期契約に成功したと言及している。

 課題は山積みのエンゼルスだが、名将が上手く切り抜け、ポストシーズン進出、さらには世界一に導くことができるか注目だ。(Full-Count編集部)

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