50代向け無料紙が9年ぶり復刊 川崎、横浜で配布

復刊したフリーペーパーを手にする中村社長=川崎市麻生区

 川崎市麻生区と横浜市青葉区の各世帯に新聞折り込みで配布されるフリーペーパー「MiSMO RICHE(ミスモリッシュ)」が9年ぶりに復刊した。

 旅行や食事、健康を主なテーマとしており、発行する出版社インクルーブ(麻生区)の中村和広社長は「スマートフォン全盛の時代だが、紙媒体の良さを伝えたい」と意気込む。

 同紙は50代をメインターゲットに2003年に発行をスタート。08年のリーマン・ショックの影響を受け10年に休刊した。

 「評価は高かったが、大手企業の広告が減ったのが痛手になった」と中村社長。景気が回復し広告収入が見込めることや復刊を望む声が多かったことから再挑戦を決めた。紙媒体の休刊は事実上の廃刊のケースが多く、復刊されることはごくまれという。

 紙面は、旅好きで食事にこだわり、健康に関心の高い読者層を意識。旅の特集や料理の紹介ページで構成されている。また、健康に役立つ話や認知症に関するコラムも用意している。現在は年4回の季刊だが、いずれは隔月発行を目指す。

 19日の復刊号の発行後、40~70代の読者から復刊を喜ぶ声が寄せられているという。中村社長は「じっくりと時間をかけて読み込むことで記憶に残りやすいのが紙媒体の良さ。スマホの画面とは一味違う魅力を伝えられるよう、充実した紙面を作りたい」と語る。

 8万5千部発行。新聞折り込みで配布されるほか、小田急線新百合ケ丘駅や市立麻生図書館などでも入手できる。

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