WEC:開幕前の負傷で出遅れた元アメリカン・ル・マン王者、バーレーンでジネッタLMP1デビューへ

 ジネッタのLMP1カー、ジネッタG60-LT-P1・AERを走らせるチームLNTから、2019/2020年シーズンの全戦起用がアナウンスされるも、第3戦上海までドライブの予定がないクリス・ダイソンが11月12~14日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで行われるWEC世界耐久選手権第4戦バーレーン8時間レースでシリーズデビューすることが分かった。

 当初の計画では、WECの2019/20年シーズン“シーズン8”をイギリスのチームLNTとフルシーズンに渡って戦う予定だったダイソン。しかし、元ALMSアメリカン・ル・マン・シリーズチャンピオンは、さまざまな理由が重なりここまで世界選手権への出場を果たせていない。

 その要因はWEC開幕前に負った手首の負傷に始まり、怪我明けの第2戦富士は、タイトルが掛かったアメリカのGTカーシリーズ『トランザム』の最終戦と日程が重複したことにある。この間、チームLNTは開幕戦シルバーストンで、元アウディLMP1ドライバーのオリバー・ジャービスをダイソンの代役に立て、第2戦富士ではFIA-F2ドライバーのルカ・ギオットを起用した。

 また、既報のとおり第3戦上海では、同じくF2ドライバーのジョーダン・キングが3人目の代役としてチームに加わる予定だ。

 ダイソンは11月8~10日に開催される上海ラウンドへの不参加理由を「ビジネス上の約束があるため」であるとSportscar365に語った。これによりチームLNTは、第2戦富士での布陣と同様に、ジネッタワークスドライバーであるマイク・シンプソンを引き続きチャーリー・ロバートソン、ガイ・スミスと組ませることになった。

 先週、ダイソンはリーズにあるジネッタのファクトリーを訪れ、バーレーンでのドライブを見越したシートフィッティングを行ったことを自身のTwitter(@ChrisDysonArch)で明らかにした。これによれば、元ALMS王者は開幕前に発表されたドライバーラインアップどおり、ロバートソンとスミスとともに6号車ジネッタをシェアすることになるようだ。

 なお、ベン・ハンリーとイゴール・オルジェフのふたりを過去2戦続けて起用している5号車ジネッタの布陣については、シンプソンが復帰することが予想されるものの、チームから正式発表はなされていない。

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