浸水被害で図書館の本800冊廃棄 200冊修復必要 再開の見通し立たず 長野・千曲市 

台風19号により、長野県千曲市も大規模な浸水被害を受け、更埴図書館では、およそ800冊の本が廃棄処分となりました。現在、復旧作業が進められていますが、いまだ再開の見通しはたっていません。

きのう29日、千曲市の更埴図書館では職員たちが、本を元の場所に戻す作業をしていました。

今月12日、台風19号により千曲川が増水した影響で、千曲市では市役所周辺などで浸水被害が起きました。人的被害はなかったものの、床上・床下浸水は1600戸以上にのぼりました。(※市調査29日現在)

千曲市・岡田昭雄市長:
「過去最大の床上・床下浸水。千曲市始まって以来、旧更埴市・戸倉町・上山田町時代含め、これだけ大きな災害はありませんでした」

その被害の一つが、市の中心部にある「更埴図書館」でした。

更埴図書館・北島正光館長:「大変ショックですね」

あの日の夜、図書館に流れ込んできた泥水。床から7センチほどの高さまで浸水しました。

更埴図書館・北島正光館長:
「(本が直接)水についてはいないが、本棚が木なので水を吸い上げてしまう。一番下部の本はぬれてしまう、しけってしまう。仕方ないですよね、ふくれちゃって、ページをめくれる状態じゃないものもあるので」

およそ13万冊ある本のうち、800冊ほどが廃棄処分に、およそ200冊は、修復が必要だといいます。

(リポート)
「浸水被害にあった千曲市の図書館では、再開に向けた復旧作業が進んでいます」

先週24日、10人のボランティアが入り、職員と協力して清掃作業を行っていました。本棚の下に入った泥をかき出し、濡れた本棚をふいて乾かします。本には目印をつけておき、元の場所へ。

更埴図書館・北島正光館長:
「また開館したときに、この本貸してとなって、ここにありますといったらなくて、利用者に迷惑かけてしまうということもあるので、そこはきっちりやらないとスムーズに貸し出しできない」

ボランティアの中には、地元で昔から利用している人もいました。

地元のボランティア:
「子どものころからよく利用していたので。こういった形になっていしまいショック。一刻も早く子どもたちや地域の人に利用してもらえるよう、早く復興させたいと思って手伝っている」

浸水により機械室も被害を受けており、今も再開の見通しは立たず。少なくとも来月いっぱいは、休館する予定です。

更埴図書館・北島正光館長:
「なんとも言えないのが現状。頑張ってなるべく早く復旧できたら」

千曲市・岡田昭雄市長:
「図書館は1年ほっとくわけにはいかない。お使いになる方がいるので、なるべく早く開館したい」

1980年に開館し40年近く経つ「更埴図書館」にとって初めての大きな被害。その再開が待たれます。

© 株式会社長野放送