ヒメマスを求めて1400キロの釣行
紅く染まった美しきトラウト「ヒメマス」を求めて、今回は十和田湖(青森県・秋田県)へ行ってきました。
事前情報では、渇水による水位低下と高水温でボウズ続出。近年稀にみる絶不調とのこと……。
初めてのフィールドで結果を残せるのか!? ぜひ、お楽しみください!
ヒメマスって?
ヒメマスは紅鮭と同じ種類の魚で、海に出ていくもの(降海型)を紅鮭、十和田湖のように湖で生活するもの(陸封型)をヒメマスと呼びます。
最大全長は釣り場によって異なり、十和田湖では40センチ前後でランカーとなる反面、西湖では35センチ、洞爺湖では50センチを超えることもあるようです。
オレンジ色に染まった美しい身は、鮭マス類で最も美味しいと評価する人も少なくありません。
釣れれば食まで楽しめる! 今回は怪魚では無く美魚を求めてみました!
十和田湖でヒメマス釣り
十和田湖での岸からのヒメマス釣りは、以下のように解禁期間が設定されています。
10月1日から翌年6月20日まで
7月11日から7月20日まで
※その年の状況により、解禁日が前後する場合があります。詳しくは、十和田湖養殖漁業協同組合へお問い合わせ下さい。
十和田湖でヒメマス釣りをするためには入漁券を購入する必要があります。
購入できる場所は最後に紹介しますね。
難易度・・・Fクラス!
今までで最も難易度の低いFクラスと設定しました。特に下調べせず、行けば釣れると判断しました。
10月は、浅瀬に産卵のために来遊するヒメマスをサイトフィッシングで狙うのが一般的なパターンのようです。
僕の大好きなサイトフィッシング! これは楽勝だろう!!
近くの釣具屋では視認性の良いルアーが手に入らなかったため、通販で購入しました!
難易度変更!Dクラスだ!
10月に入り、解禁された十和田湖の釣果をネットやSNSで追いかけると、どうやら絶不調らしい……。
7月から続く渇水により水位が例年より1.5メートルも低く、例年のヒメマスの産卵場は陸の上になっているようです。
高水温も相まってヒメマスの接岸が大幅に遅れ、ボウズ続出とのこと。
急遽、メタルジグを購入しました。
最終兵器も用意!
僕が大好きなエサ。毎度おなじみのスルメイカです!
今回は食紅で赤く染めています。婚姻色の出た鮭・マスは赤いものが大好きです!
十和田湖へ向けて出発!
十和田湖までは関東から片道700キロの道のりです。友人の仕事終わりを待ち、19時に出発!
台風19号が接近していたため、釣行日数に余裕がありません。
暗いうちに十和田インターに到着!
夜明け直前に十和田湖に到着するも、流入河川の有力そうなポイントにはすでに釣り人が入っています。
さすが人気の十和田湖! 平日でも、釣れていなくとも、アングラーはやってきていました。
ディープが隣接する湾奥を探せ!
岬絡みのブレイクを狙えば回遊待ちで拾えそうな気はしましたが、真っ赤なヒメマスを目標にしていたため、マイナーな産卵場所を探す必要があります。
等深線と睨めっこして、いくつか目星をつけて……。
湖ではなく、山を見る
ジオグラフィカにも載らない小さな沢を見つけて、友人とガッツポーズです!
これが流れ込むか伏流する場所できっとヒメマスは産卵しているはず!
きっとマイナーなポイント! 釣り人も少ないはず。
水辺に降りてみると小さく流れ込んでいます。恐らく湖底からも伏流している!
周りには釣り人1名のみでほぼ貸切状態です!!
予想的中!
ヒメマス達が集まっています!
実釣開始!
朝の高活性もあって、いきなり釣れてきました!
十和田湖での初ヒメマス! 婚姻色の出たメスですね。
これはイクラがパンパンに入ってそう! 嬉しい一匹でした。
続けざまに連続ヒット! ピンク色のシンキングミノーが効果的です。
何匹か釣ると群れが一旦抜けてしまいました。
そこで、食事タイムです。
試しに、立ち込んで1メートルから7メートルへ垂直に落ち込むブレイクラインをねらってみると……
友人が良いサイズのオスをキャッチ!
回遊を目視で確認し、群れの中にシンキングミノーをフォールさせて喰わせていました。
インレットの様子はどうなったかな?
群れがいなくなったタイミングでカメラを設置してみました!
カップ麺を食べて、ブレイクを狙っている間に戻ってきていまいした!
どうも水深3〜7メートルの一段深い場所にステイしながら、水深1メートルの産卵場に上がったり下がったりを繰り返しているようです。
このように上がってくればチャンスです!
真っ赤なオスも混じっています。釣りたい!!!
派手な色のルアーにスレてしまったのか、反応が悪くなったのでカラーをローテーションします。
すると! 真っ赤なオスが反応しました!
めっちゃ近い!
喰えーーー! 頼む!!!
やっったーーー! 喰ったぞ!
赤いぞ!!
今までのメスと違って凄い引きです!
豪快にジャンプしたかと思うとあっという間にブレイクの下へ……。
めっちゃドキドキする瞬間ですね! これが魚釣りの醍醐味です!!
無事にネットイン!
やばい。嬉しすぎるッ!!
ヨッシャー!! 思わずガッツポーズしてしまいました!
想像以上に赤くて綺麗! これは遠方から釣り人がやってくる訳も分かります。
この後、50匹を超える大きな群れが浅瀬に来遊! ブレイクの下には100匹くらい控えています。
十和田湖凄いぞ! めっちゃ楽しいぞ!
程よく赤みがかった太いオス。めっちゃ格好良い!
メタルジグやエサのローテーションに加え、30分釣って30分休憩といった感じで場を休めながら爆釣を味わいました!
場を休めている間、深場にメタルジグを投げ込むと銀色のヒメマスが釣れました!
これは美味そう!
夕まずめまで本当によく釣れました。それにしてもポイントの選択は重要だと、改めて痛感。
ちょっとした伏流にもヒメマスは集まってくる!
学生時代にクニマスとヒメマスの生態研究で培った経験が活きた釣行となりました。
これだけの釣果をあげれば帰り道も苦になりません!
700キロを意気揚々と運転して帰宅しました。
お楽しみのヒメマス料理!
早速釣れたヒメマスを料理します!
十和田湖では1人当たり1日20尾まで持ち帰ることができます。
メスのお腹を開けると、イクラが沢山!
イクラ好きには堪りません! 一粒一粒大事に扱います。
醤油漬けはもちろん、塩漬けと味噌漬けも作ってみました。
続いて身を調理していきます。
成熟が進んだヒメマスは身が白くなっていたので味噌漬けに!
深場で釣れた銀ピカのヒメマスはお刺身に。
予想通りオレンジ色の身でした!
カルパッチョのいくら添え!
成熟したヒメマスもドレッシングをかければ美味しくいただけます!
塩焼き! バター焼き! 味噌焼き!
個人的には塩焼きが一番オススメです。
贅沢なヒメマスのフルコースですね!
本当に癖が無く、食べやすい魚です。これは万人受けするのも納得です。
最後は3色いくら丼!
「釣ってよし・食べてよし」のヒメマスを堪能した釣行となりました。
入漁券とタックル
入漁券売り場は6ヶ所!
十和田湖でのヒメマス釣りには、入漁券(1日1,000円)が必要です。
以下の場所にて遊漁料を支払いましょう。
・十和田湖増殖漁業協同組合事務所
青森県十和田市大字奥瀬字十和田湖畔休屋486番地
・十和田湖ふ化場
秋田県鹿角郡小坂町十和田湖字生出
・うたるべ荘
青森県十和田市大字奥瀬字十和田湖畔宇樽部76番地1
・レークサイド山の家
秋田県鹿角郡小坂町十和田湖字銀山1番地7
・招仙閣
秋田県鹿角郡小坂町十和田湖字銀山12番地3
・東北つばめ石油販売(株)十和田湖畔給油所
秋田県鹿角郡小坂町十和田湖字休平64番地6
ヒメマス釣りのタックル
透明度の高い十和田湖では、波風が立たなければヒメマスの群れを目視で確認できます。
ルアーを見ながら釣りを行うこともあり、偏光グラスは必要不可欠です。
ルアーは、視認性の良い派手なカラーとナチュラルなカラーを用意しましょう。
日が高くなるとスレてくるのでカラーローテは必須です。
渓流ミノーの派手なカラーは店頭に並んでいないことが多く、通販がオススメです。
安くてよく釣れるオススメミノーです。ヒメマス用カラーがやっぱり◎
Dコンは派手なカラーにスレた後でも口を使わせることができました。
サスペンドタイプも持っておきましょう。
産卵場所に入れなかった時に備えてメタルジグは持っておくべきです。
メバルやアジ用のメタルジグは3~7グラムがオススメ。持っていて損は無いです。
ロッド・リール は、ベイトでもスピニングでも大丈夫です。
僕はベイトにPE0.6号+フロロリーダー6ポンド、スピニングにはフロロ4ポンドを巻いて使用しました。
画像提供:山根央之
筆者の紹介
山根 kimi ヒロユキ
初めての1匹を求めて世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズ(兄)。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。