新型『MG6 Xpower TCR』が公認取得。FIAモータースポーツ・ゲームス参戦へ

 中国のマニュファクチャラーである上海汽車集団(SAIC Motor Corporation Limited)は、2019年4月の上海オートショーでワールドプレミアしたTCR規定マシン、新型『MG6 Xpower TCR』のFIA公式ホモロゲーションを取得。晴れて国際公認が降り、イタリア・バレルンガで開催されるモータースポーツ版の“オリンピック”『FIAモータースポーツ・ゲームス』に参戦することが決まった。

 同じくフォルクスワーゲン・ブランドでCTCCチャイナ・ツーリングカー・ チャンピオンシップなどに参戦する上海汽車集団は、この春先にも傘下に収めるイギリスのマニュファクチャラー、MGブランドから新型TCRツーリングカーをリリース。2019年はTCRチャイナ・シリーズにエントリーし、チャン・チェンダンの手で寧波国際サーキット戦で3位表彰台を記録している。

 しかし、この参戦は暫定措置の地域ホモロゲーション登録によるもので、MG6 XパワーTCRとしては、シリーズチャンピオンシップでのポイント獲得はまだ達成していない。

 そのMG6 XパワーTCRは、この週末となる11月1~3日にイタリアで開催されるFIAとSRO主導による新たな国別対抗戦、FIAモータースポーツ・ゲームスに2台を送り込む計画を立てていたが、そのエントリー承認はFIA公式ホモロゲーションの認可次第となっていた。

 今週に入ってすべての確認作業を終え、無事に国際ホモロゲーションを取得した同車は、すでにマシンを走らせた経験を持つチャンがチーム・チャイナ代表として、さらにもう1台は、BTCCイギリス・ツーリングカー選手権で2019年のインディペンデント王者を獲得したロリー・ブッチャーが、チーム・グレートブリテン代表としてこの新型モデルをドライブすることとなった。

 このバレルンガを舞台とする初の試みに向け、同車を走らせるQEV Technologiesは事前テストを実施し、ブッチャーはこの火曜にもスペインのカタルーニャにて、シェイクダウンテストを実施。そして現在MG6 XパワーTCRはイタリアでの金曜公式練習に向け陸送中となっている。

 BTCCではコブラスポーツAmDオートエイド/RCIBインシュアランスのFK2ホンダ・シビック・タイプRのステアリングを握りシーズン3勝を挙げたブッチャーは、海外サイトのTouringCarTimes.comに対し「クルマに関する最初の印象は、シャシーの出来が非常に良いと感じた」と、そのファーストインプレッションを語っている。

「しかし、それを最大限活用し、シャシーのポテンシャルを引き出すにはもう少し時間が必要だね。この週末に向けては準備期間が足りないし、その点はある程度、仕方がない部分もある」

「カタルーニャでは、シェイクダウンということで新車特有の問題にも対処する必要があり、イベントの前に解決しなければならない問題がいくつかあることも確認できた。そのため、あまり高い期待を持つよりも、デビュー戦に向けてはリアリスティックにならなければいけないね」

「この週末で本当に重要なのは、金曜のふたつのプラクティスセッションだ。ここでトラックでの時間を最大限活用できた場合にのみ、その先の展開を考えることができるだろう」

「マシンはまだ生まれたばかりの状態だし、バレルンガでは本当の挑戦になる。楽しみな週末にはならないかもしれないが、新型MGの国際デビューで可能な限り最高の結果を得るべく全力を尽くしたい。それにイベントで“Team GB”の旗を掲げて戦えるのは本当に光栄だよ」

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