「核兵器の全廃向け 世界へ強く訴えて」 大司教、メッセージ期待

 カトリック長崎大司教区の高見三明大司教は29日、長崎市内で講演し、ローマ法王フランシスコが爆心地公園で発信する予定の核兵器廃絶メッセージについて「核兵器は最悪の兵器。全廃に向け私たちの声を集約し、世界へ強く訴えてほしい」と期待を込めた。
 講演で高見氏は、法王が2013年の就任以降、核抑止論を批判していることや、原爆投下後の長崎で撮影されたとされる写真「焼き場に立つ少年」を世界に広めるよう指示したことなど、核兵器廃絶に積極的な姿勢を紹介した。
 バチカン(ローマ法王庁)は17年に国連で採択された核兵器禁止条約の最初の批准国の一つ。核軍縮が停滞する中、来年は被爆75年の節目で、核拡散防止条約(NPT)再検討会議も開かれる。胎内被爆者の高見氏は、法王が被爆地から核廃絶を訴えるのに「いいタイミングだと思う」と話した。

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