マレーシアは教育移住者を見込んだ一大ベッドタウンを完備!行くなら今しかないと思った「海外×教育移住」

教育移住が盛んなマレーシアに興味をもち、この夏現地の学校見学とトライアル海外生活を経験した得丸さん一家。今年13歳になる息子さんをもつお母さんとして、得丸祐子さんに話をうかがいました。

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子どもからの提案で、マレーシアへの教育移住に興味をもった

ーーまず、マレーシアへの教育移住に興味をもったきっかけを教えてください。

うちの子どもは今13歳なのですが、1年前ぐらいから「インターナショナルスクール(以下インター校)に行きたい」と言いはじめまして。それで、親としてはまずそこに通わせるなら教育費が高くて大変だなということがありましたから、調べた結果マレーシアという選択肢が出てきました。各国のインター校、日本国内、アジアのマレーシア以外の諸外国、そしてヨーロッパなども検討した結果、この国がよさそうという結論にいたって、子どもたちにも相談して見学することにしました。

ーーもともと海外志向というか、ご両親が海外に縁があり、その影響なのでしょうか?

夫の仕事がヨーロッパやアジアと関わりの深い仕事をしていまして、海外出張なども多く、子どもたちも折に触れて海外旅行を経験してきました。私たちは日本人同士の夫婦ではありますが、ものの考え方自体はグローバルで多様化を認め合うことをよしとする立場であると思っています。

ーーすばらしいですね。13歳のお子さんから直接インター校に行きたいと親に相談するのってとても珍しいことだと思うのですが、それまでの学校生活はどのような感じだったのでしょうか?

我が家はなかなか一筋縄ではいかない学校生活を歩んできました。小学校は、はじめ私立に入れたのですが違和感を感じ、不登校の状態になりました。学校を公立の学校に転校し、フリースクールなどにも通わせました。どこかおかしいのだろうかと発達検査も受けさせたのですが、結果としては発達凸凹※で、現在は診断名がありません。

※発達障害をもつ人の凸な部分(強み)と凹な部分(苦手な部分)の差が大きいこと

教育移住を検討するのに多くの人に助けてもらっている

ーーなるほど。多様なご経験をされて、決断する機会も多かった得丸さんのお子さんだからこそ、今回の海外移住のお話につながっているのですね?

親としては学校のことでつまずくたびに「どうしてうちの子はうまくいかないんだろう」と自分自身や子どもを責めることも多々あったのですが、私に考え方の変化のチャンスをくれた恩人がたくさんいまして、その方々のよい影響があると思います。

まずは、 の赤沼美里さん。周りと違うことに対して子どもが親に違和感を唱えることは、不登校児にはよくあることです。それに対して親は何をすればいいか、なんと言ってあげたら効果的なのかぼんやりしていました。「違和感がある=うちの子が間違っているということかもしれないのだから、普通するためにこう努力しなさいと言えばいいのだろうか」と、悶々としていました。

IFラボの赤沼さんに相談したところ「自分らしく生きていいんだよって言ってあげればいい」とアドバイスを受けたのです。それまで私は、自分自身が学生生活でつまずいたこともとくになかったおかげで、子どもに対しては「レールを踏み外したらもうダメなんだ」と思っていたフシがありました。でも決してそうではないんですね。踏み外したら終わりだなんてことはないんです。

そんな私自身の変化もあり、以前にもまして子どもは自分のやりたいことや集団生活での違和感を率直に私たち親に投げかけてくれるようになりました。なのでうちの子の自発的なインター校への関心というのも、IFラボを経由して私自身や家族全体の変化から自然に起こったことだと受け止めています。

ーーマレーシアでの現地視察はどのような形で進められたのでしょうか?

これも、私たち個人の力では成し遂げられなかったすばらしい協力体制のもと実現できました。「 」さんに現地のコーディネートをお願いしたんです。

このサービスはマレーシア移住に関する情報をたくさん提供しているので、具体的にマレーシアのインター校の受験を考えている方はチェックするとよいと思います。

受験時期のタイミングについても、実はインター校は母体となっている学校の国籍に新学期のスケジュールが依存します。たとえばオーストラリア式の学校であれば1月が新学期ですし、アメリカ式の学校でしたら9月が新学期。そのどちらも受験するとなるとどんなスケジュールで組んだらよいかということまで考えるとなると、結構な情報量を入手して分析して予定を組まなくてはなりません。

こんな気の遠くなるようなインター校の受験に対する王道ルールについても、コーディネートさんは経験豊富なのでアドバイスがもらえます。

ビザ取得からのスタート。実際の移住スケジュール

ーー実際、徳丸さんのお宅はどんな受験スケジュールを組まれたのでしょうか?差し支えない範囲で教えてください。

まだ受験していないという状態なので、希望的観測も含みますが。子どもの勉強の進み具合ももちろん気になるのですけど、一家で移住するとなるとまず引っ掛かるのがビザの問題です。私たち家族が取得しようとしているのが学生ビザです。できればMM2Hという、いわゆるリタイアメントビザ(退職者ビザ)が欲しいのですが、取得に一年かかることが予想されるため当座難しそうです。

「母子留学」をするという段取りを考えています。ビザの取得に関しては政治的状況に大変左右されるので確証がないのですが、来年の秋までには取得が完了する予定で動いています。当座、長期滞在は90日間可能なので、来年の1月に渡航して90日以内に1校目のインター校を受験します。

90日以内に2つ受験にトライできたらと思います。ひとつは8月始まりの学校、もうひとつは日本の2学期にあたるのが4月になるので、はじめの90日で2校チャレンジできるスケジュールです。このひとつ目の学校の新学期が8月なので、合格できれば日本の学校の夏休みから新学期で入学できます。

ーーインター校以外の学校機関は検討されましたか?

そうですね。どちらの学校もダメだった場合のための選択肢も確保しています。これもうちの子がたどってきた大変な学校生活の恩恵といえば恩恵なのですが、教育移住の話が我が家でもち上がったときに「マレーシアにフリースクールやホームスクールってないのかな?」と思ったんですね。そしたら案の定いい環境があったんですよ。「マインドスペース」というところです。見学もしました。

ここはホームスクールが主体の学校なのですが、とにかく生徒同士の交流の時間をしっかり確保しているところが魅力的ですね。アップワードラーニングセンターと連携しています。発達障害や身体障害がある子どもたちが一緒にレクリエーションの時間をもったり、8カ国語がはなされていたり、とにかく多様な学びが実現できる場所です。ホームスクールなのですが、スナックタイムが設けられていたり、お昼休みが長めに設定されていたり、大変ユニークです。

ーーそこのホームスクールは卒業資格などは取得できますか?

アメリカの基準である高校卒業資格も取得できるということです。日本からマレーシアに受験のために数ヶ月移り住んでいる期間も、ここのスペースを自習の場として確保し、国際数学や英語の勉強を効率よく進めることもできるので安心ですね。

教育移住はメリットたくさん。楽しみでしかない

ーー徳丸さんが実際生活されるマレーシアの暮らしはどのような感じになりそうですか?

マレーシアは、教育移住者を見込んだ一大「学校ビジネス」と呼ぶべき現象があります。もう街ごと完結した設計になっているんですね。買い物も学校も病院もすべてその街から出なくてもできます。街と街の間にはいわゆるローカルエリアと呼ばれるダウンタウンに挟まれているのですが、車を使ってわざわざ行かないと遊びに行くこともできないくらいとても離れています。なので、日本の私鉄がベッドタウンを設計した規模よりも、もっと大規模な区画整理で学校を中心とした都市設計になっているんですね。

私たちがはじめの数ヶ月暮らす予定の街は「モントキアラ」という日本人街を予定していて、クアラルンプールの中心部から20分ほど車で移動したところにあります。大きなショッピングセンターやクリニックもあり、生活にはなにひとつ不自由がなさそうです。滞在中、日本食を作ってみたりもしましたが、材料は割と何なく手に入りました。

もちろんカルチャーショックはあると思います。イスラム教の国なので、金曜日は礼拝があり道が大変渋滞します。時間に余裕をもって行動しないと身動きがつかなくなることを学びました。衛生面、トイレや下水道の問題、そして治安にかんしてもいろいろ言われていますが、私が実際に現地に行った感じで言ったらまったく問題ありませんでした。

「ワクワク海外移住」さんはじめ、現地で暮らしている日本人同士も豊かなつながりをもっている印象を受けたし、いざというときは助け合って暮らせる体制がしっかりと築かれているという印象をもちました。

金銭面では、家計全体では生活費が日本の2分の1くらいで抑えられることがメリットですね。健康保険を日本に置いたままにして生活費が半分のイメージです。3分の1と言われることもありますが、不自由ない暮らしを考えるとそこまで安くありません。

ーーどれぐらいの期間マレーシアへの滞在を予定していますか?

ひとまず、高校受験の年次である2年後までという案と、大学受験の年次である5年後、どちらかかなと思っています。子どもが自発的に学習の環境を選ぶでしょうし、滞在期間についても本人の意思を尊重したいと思っています。

ーー長い期間ご主人と別の暮らしをされるということで心理的な負担は大きくないですか?

夫はもともと月の半分以上は海外や出張などで不在だったので、家族の拠点がちょっとほかの国に変わるというだけでもあり、あまりさみしさは先立ちません。それより、自分たちの子どもが自発的に環境を変えて勉強したいと言ってくれているエネルギーが何よりのモチベーションであり、支えになっています。主人とは、うちの子育てはめちゃくちゃ手間がかかるけど、私たち半分ずつが組み合わさるとこんなおもしろいことになるんだなって笑い合っているんですよ。自分自身や主人の成長も含め、楽しみでなりません。

ーーありがとうございました。

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