不明男性を住民200人が捜索 妻「お父さんどこまで見つけに行けば…迎えにいくから帰ってきて」 長野

千曲川の氾濫により、長野県佐久市の男性が今も行方不明のままです。きょう10月31日、男性が住む地区の住民およそ200人が参加して、大規模な捜索が行われました。しかし、発見に繋がる手がかりは見つからず、男性の妻は「早く戻ってきて欲しい」と涙ながらに訴えました。

行方がわからなくなっているのは、佐久市入沢の三石量正(みついし・かずまさ)さん68歳です。

きょうの捜索には、地区の住民およそ200人と、警察や消防などおよそ50人が参加して行われました。

夫が行方不明・三石たか枝さん:
「こんなにたくさんの人たちが来てくれると思ってもいなかった。ありがたいです。感謝です」

三石さんは、台風19号が接近した今月12日の夕方、「土のうをもらってくる」と言って軽トラックに乗り、近くの小学校へ出かけたまま、行方がわからなくなっています。

夫の手がかりを探すため、妻のたか枝さんは、ほぼ毎日、家族や友人らとともに、自主捜索を続けています。

これは、量正さんが自宅に忘れていったという携帯電話と腕時計です。たか枝さんは、これを寝る時も外出する時も離さないと言います。

夫が行方不明・三石たか枝さん:
「きっと慌てて出て行って、私が『携帯を持っていって』と言ったが、そのまま出ていってしまって、家のことも心配だったと思う」

夫が帰ってくることを願って、今も量正さんの携帯電話にメッセージを送っています。

メッセージ:
「お父さんどこまで見つけに行けばいいの?」
「迎えに行くから帰ってきて!!」

夫が行方不明・三石たか枝さん:
「帰ってきてほしい。ただそれだけの気持ち」

きょうの合同捜索は、地元4地区の区長が住民に呼びかけて行われました。

青沼地区区会長・渡辺一夫さん:
「皆さんの手で量正さんを家に帰還させたいと」

千曲川の河川敷およそ5キロの間を3時間近くかけて捜索しましたが、発見につながる手がかりは見つかりませんでした。

夫が行方不明・三石たか枝さん:
「一日も早く見つかってほしいというのが私たち家族の一番の願い。(メッセージで)大勢の人がお父さんを探してくれたけど見つからなかったのが残念だと伝えたい。早く戻ってきてほしい」

たか枝さんは今後も、家族や友人らと自主捜索を続けるということです。

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