韓国の総選挙まで残り半年。「共に民主党」「自由韓国党」の対決の行方は?

来年の4月15日に控えている韓国の総選挙。残り半年と時期が迫ってきたのに伴い、韓国国内でも議会第1党を巡る争いに注目が集まっています。韓国国内の現在の政局の様子はどうなっているのでしょうか。

「共に民主党」「自由韓国党」で全議席の8割を占める|現在の韓国国会における議席構成

今年8月2日に第20代国会が開かれ、現時点で総議席数は297となっています。
現在の議会第1党の与党は「共に民主党(더불어민주당)」で、全体の約4割にあたる合計128議席を持っており、文在寅大統領の所属政党でもあります。また、野党は全部で6党あり、野党の第1党を担うのが全体に対して4割弱、「共に民主党」と28議席差の「自由韓国党(자유한국당)」です。党数自体は多いですが、「共に民主党」と「自由韓国党」の2党で議席の約8割を占めています。

現時点での「共に民主党」「自由韓国党」の政党支持率は

現在(10月4週目)の支持率は「共に民主党(더불어민주당)」が40.2%、「自由韓国党(자유한국당)」が32.2%(韓国の世論調査機関リアルメーターの調べ)、となっており、この2党での争いが焦点となりそうです。10月2週目まで「共に民主党」が35.3%に対し「自由韓国党」が34.4%と1%以内まで迫っていた支持率ですが、10月3週目から10月4週目にかけて「自由韓国党」の支持率は32.2%まで落ち込み「共に民主党」との支持率差が8%まで開くなど、この10月で大きく局面が変化しました。

韓国の世論調査機関リアルメーターの情報を基に選挙ドットコム作成

韓国総選挙で争点になりそうなことは何?

10月2週目まで「共に民主党」が35.3%に対し「自由韓国党」が34.4%(韓国の世論調査機関リアルメーターの調べ)と、政党支持率で上回ることも可能な状況に見えた自由韓国党でしたが、内部から批判材料が出たことにより10月3週目以降の支持率上昇の流れが折られる形になりました。ここ3ヶ月間程度政局の主導権を握るなど自由韓国党にとって有利な状況であっただけに現在内部からも批判意見が出ています。自由韓国党が現在の国民からの批判を乗り越え、再び支持率回復に転じられるかどうかが今回の争点となりそうです。

最大野党の自由韓国党の現状と、韓国の国内報道各社の論調

現在批判を多く集めているのは、「自由韓国党」公式ユーチューブにおいてアップロードされた1つの動画です。その動画は、現大統領である文在寅大統領を外国の童話「裸の王様」になぞらえ卑下する内容であり、国家元首に対する過剰な冒涜であると与党の「共に民主党」から批判が出ました。国内報道各社でもこのユーチューブに関する報道がなされており、国民からも厳しい意見が集まっているのが現状です。

今後どうなる?韓国の総選挙

現在の「自由韓国党」に対する批判が収まらなければこのまま支持率は下降し、総選挙での議会第1党は文在寅大統領の所属政党でもある「共に民主党」となる可能性が高そうです。しかし、一度は共に民主党との支持率の差を1%までに縮めた「自由韓国党」の動向を中心に来年の4月までまだ目が離せません。

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