台風被災でも「箱根は元気」 柳沢さんらが大名行列

観光客らが見守る中、旧街道などを練り歩いた箱根大名行列=箱根町

 箱根の秋の風物詩「箱根大名行列」が3日、箱根町の湯本地区で行われた。箱根湯本観光協会の主催。台風19号による被災で開催が懸念されたが、スペシャルゲストで若殿役の俳優柳沢慎吾さんをはじめ、奴(やっこ)や家老などに扮(ふん)した総勢約170人が盛大な時代絵巻を披露し、「箱根は元気」をアピールした。

 箱根大名行列は1935年に始まった伝統行事。一部区間で箱根登山鉄道の運休が続く中、さらなる交通渋滞を生じさせることへの懸念などから開催が不安視されたが、地元や他地区の観光協会から開催を望む声が多く寄せられ、予定通り実施された。

 湯本小学校で行われた開会式で、小田原市出身の柳沢さんは「台風で箱根は大変だが、大名行列で思い切り元気なところを見せて頑張っていきましょう」と出演者に呼び掛けた。「下にー、下にー」といった掛け声が響く中、参加者は旧街道など約6キロを練り歩いた。柳沢さんは沿道の観客と握手するなどしてイベントを盛り上げた。

 箱根観光物産館前では、箱根登山鉄道沿線に咲くアジサイの植栽を応援しようと募金箱が設置された。カンパした秦野市の会社員女性(40)は「近くの観光地なので早く復興してほしい」と話していた。

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