前田智徳氏が語る“動くボール”の打ち方 右打者と左打者でアプローチ変えるべき!?

テレビ朝日系列で解説を務める前田智徳氏【写真:福谷佑介】

“天才打者”が語る対応策「右バッター、左バッターで変わってきます」

 11月2日(日本時間3日)に開幕した「第2回 WBSCプレミア12」。来年に控える東京五輪の前哨戦となるこの大会で、稲葉篤紀監督率いる野球日本代表「侍ジャパン」は悲願の優勝を目指し、戦うことになる。11月5日、台湾・桃園市でのオープニングラウンド初戦でベネズエラと対戦する予定だ。

 この大会を中継するテレビ朝日系列で解説を務めるのが、元広島の前田智徳氏。かつて“天才打者”と称された前田氏がFull-Countの単独インタビューに応じ、今大会に臨む侍ジャパンについてや見どころなどについて語った。

 2015年の前回大会は3位に終わり、悲願の世界一を逃すことになった侍ジャパン。今大会こそは頂点に立ち、そして来年に控える東京五輪に向けて弾みをつけたいところだ。そういった国際大会で必ずと言っていいほど侍ジャパン打線に突きつけられる課題が、外国人投手が投げる”速く動くボール“への対応。前田氏によれば、こういったボールへのアプローチは右打者と左打者では異なるという。

 打者にとって手元で“速く動くボール”とは、どれほど厄介なのか。“天才”と称された前田氏は「見極めが難しいですよね。ピッチャーによって曲がりが遅かったり、速かったりするんです。そのボールを引きつけて我慢してポイントを近くしないといけないのか、もしくは曲がる前に捉えるのか」と語る。

 そして、そういったムービングファストボールへの対応の仕方は「右バッター、左バッターで変わってきます」と前田氏は言う。

「『これやばいよ』となると、苦労することになる。大事になるのは右打者と左打者の備え方」

「右投手のツーシーム系であれば、右バッターは引きつけすぎると食い込んできます。パワーがあれば、ある程度押し込んでいけますけど、それができる打者は限られてくると思います。となると、ある程度前で捉えないといけない」

「逆に左バッターの場合はシュート気味に逃げていくので、ひきつけないといけません。ですが、ひきつけた時にボールに力があるとファウルになりやすい。そこをどう捉えることができるか」

 今大会にはメジャーリーガーは出場しておらず、アメリカやベネズエラ、プエルトリコら強豪国もマイナーリーグの若手らがメンバーの中心となる。超一線級の投手はおらず、前田氏も「プレミア12は、WBCとは質は落ちると思います。今回どういうピッチャーが出てくるかわかりませんけど、WBCのアメリカ代表のようなピッチャーは出てこない。ボールが動く中でも球速があるのが、最上級のアメリカ代表など。それよりも、今回は少し球速だったりは落ちると思います」と展望を語っている。

「スコアラーだったり当然ミーティングするし、ここに来てる代表の選手はそれくらいの対応力は当然あると思います。あとはしっかりと頭の中と体と、それがマッチしたら大丈夫だと思います。『これやばいよ』となると、苦労することになる。どちらにしても、大事になるのは右打者と左打者の備え方です」と語った前田氏。その期待通りに侍ジャパンの打者たちは外国人投手を攻略できるだろうか。(Full-Count編集部)

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