読み書き障害の英国人画家、半生語る 星槎高校で絵画展

交流の場で生徒からの質問に答えるソープさん(左)=横浜市旭区

 読み書きに困難が生じる「ディスレクシア」の障害がある英国人画家マッケンジー・ソープさん(62)を囲む絵画展がこのほど、星槎高校(横浜市旭区)で開かれた。同中学・高校の生徒約200人が、ソープさんの語った経験や手掛けた作品を通して交流を深めた。

 幼い時から読み書きができなかったソープさんは、特に学校でつらい経験を重ねた。15歳で働き始めてからも好きだった絵画制作を続け、21歳の時に才能を見いだされ大学に進学した。パステルを使った優しく温かいタッチの作品は欧米を中心に高い評価を得ており、現在は星槎大の客員教授も務めている。

 ソープさんは生徒に自身の半生と作品について説明。「一人一人に、ここにいる理由がある。持っているものを力の限り発揮し、夢を追い続けたら何でも付いてくる。心はいつも開いていてほしい」と語った。また、同中高の生徒らが手掛けた絵画も講評した。

 参加した同高1年の鈴木碧人さん(15)は「すぐに『だめだ』と言うのではなく、自分の心を見て諦めないことが大切で、必要だと思った」と話していた。

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