福島産ケヤキで「火の用心」 拍子木100組製作

井村さん(右)から贈られたミニ拍子木を打つ子どもら=長崎市、諏訪神社

 東日本大震災の被災地、福島県の復興を支援する福島長崎絆の会(井村啓造代表)が、復興や防災の願いを込めて同県川内村のケヤキを使ったミニ拍子木100組を製作した。4日、長崎市上西山町の諏訪神社で清祓(きよはらい)を済ませ、立山1丁目婦人防火クラブなど3団体に計25組を贈った。
 川内村は林業が盛ん。昨年の長崎くんちで椛島町が奉納した「太皷山(コッコデショ)」にも同村の志賀林業が無償提供したヒノキが使われた。その際に橋渡しをした井村代表(73)が「被災地の資源、素材を応援したい」と拍子木の製作を企画。今年7月に志賀林業から100キロのケヤキをもらい受け、妻佳代子さん(68)と3カ月かけて作った。
 大震災が起きた3月11日を心に刻もうと幅3センチ、長さ11センチの大きさ。子どもの手にもなじみ、同婦人防火クラブの浦川由子会長(68)は「これまで大人用しかなく、子どもには重たかった。小さい子どもも喜ぶのでは。大事に使いたい」と話す。
 贈呈後には、諏訪神社で子どもらが打ち初めをした。同市立桜町小5年の廣岡佑紀君(11)は「音がよくて気持ち良かった。台風19号で被害を受けた人たちのことも思いながら打ちたい」と話した。
 「こういう活動の輪が全国に広がってほしい」と井村代表。希望団体には拍子木を無償で贈る。井村代表(電090.2508.7178)。

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