江戸時代後期の長崎で活躍した国学者で諏訪神社元大宮司の青木永章と、南画家の木下逸雲らが、平戸城下の様子を書き留めた旅日記「亀岡日記」が、平戸市鏡川町の松浦史料博物館で初めて公開された。12月8日まで展示する。
日記は今年7月、大分・中津藩士の子孫で長崎市の橋本商会会長、橋本寛さんが平戸市に寄贈。「平戸城下の景観を描いた絵図は少なく大変貴重」(久家孝史同館学芸員)といい、江戸期の城下の風景や当時の絵師の技能を知ってもらおうと公開した。
青木と木下は1842年、親交のあった平戸藩主松浦熈(ひろむ)に招かれて平戸を訪問。日記には青木が滞在中に作った和歌のほか、木下と平戸藩御用絵師の片山舟水が、同藩家老の屋敷や田平村(当時)の番所などを克明に描いた絵図が記されている。
日記はスギの木箱に収められていて、日記名の「亀岡」は平戸城域がカメのような地形をしているために付いた呼称という。
入館料は大人600円、高校生以下350円。毎月第3日曜は平戸市民に限り無料で入館できるが身分証が必要。問い合わせは同館(電0950.22.2236)。
江戸後期の平戸 克明に描写 「亀岡日記」初公開 松浦史料博物館
- Published
- 2019/11/05 14:00 (JST)
- Updated
- 2019/11/06 10:44 (JST)
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