DeNA関根、元メジャーの助言を力に4安打4打点! 「結果でしか恩返しできない」

メキシコでファンとの交流するDeNA・関根大気【写真:福岡吉央】

3試合ぶり先発出場でWL初の4安打、1割台だった打率は.238に急上昇

 メキシコのウインターリーグに参加し、ヤキス・デ・オブレゴンでプレーしている横浜DeNAベイスターズの関根大気外野手が3日(日本時間4日)、敵地で行われたスルタネス・デ・モンテレイ戦で初のタイムリーを放つなど、4安打4打点と結果を残した。3試合ぶりに「8番・中堅」でスタメンに復帰。メキシコでは初となる4安打で4打点を記録し、1割台だった打率もチーム5位となる打率.238(42打数10安打)まで上昇した。試合は5-9で敗れ、連勝は2で止まったが、敗戦の中でも関根がまばゆい光を放った。

 2回2死二塁のチャンスで右前先制適時打を放つと、4回にも2死一塁から右中間への二塁打。6回には2死からショートへの鋭い当たりが相手のミスを誘い、失策で出塁すると、1-7で迎えた8回には無死満塁のチャンスで右前2点適時打。スタンドのヤキスファンからは「タイキコール」が沸き起こった。関根はさらに4-9で迎えた9回にも2死三塁のチャンスで左翼線への適時二塁打。5打席全てで出塁し、3度タイムリーを放つ仕事ぶりで、ベンチの期待にしっかりと応えた。

「真っ直ぐへのコンタクトがしっかりできてきた。追い込まれてからチェンジアップも捉えてヒットにできた。真っ直ぐに対していい角度で打てているから、対応できたと思う。打点が続いたのはたまたまだが、しっかり来た球をコンタクトしていこうと思っていたので、打席内でやりたいことができた部分は嬉しかった。今日、ストレートを打てたことを基本線に、またやっていきたい」

元メジャーリーガーらチームメートの助言を受けて、ついに結果を残す

 なかなかヒットが出ない日々が続いていたが、めげることはなかった。早出練習をするために球場に1番乗りすることも多く、室内のケージで黙々とコーチが投げる球を打ち返し続けた。練習後には打撃フォームの動画を日々チェック。そんな地道な作業が実を結んだ。

「あれだけ打っていない時期に、コーチ陣が打てるようにと、いろいろ引き出しを増やしていく練習をやってくれたので、結果でしか恩返しできない。日々(結果を)積み重ねていくことが、喜びになっていく。これからも何とか結果出すためにトライしていきたい」

 チームメートの親身なアドバイスもあった。声を掛けてくれたのは、ブラジル代表で15年から18年までロイヤルズでプレーした元メジャーのパウロ・オルランド外野手や、今年3月にメキシコ代表の一員として日本で侍ジャパンと対戦しているホセ・アギラル外野手。オルランドは常にリラックスして打つことの大切さを説いてくれた。アギラルは試合後、ホテルの部屋で王貞治やマニー・ラミレスの動画を用意し、内角の打ち方を助言してくれた。そんな周りの支えもあっただけに、ベンチでの仲間とのハイタッチが心の底から嬉しかった。

 試合後は、約3時間の仮眠の後、ホテルを早朝4時に出発し、飛行機とバスを乗り継いで約8時間かけて本拠地のオブレゴンに戻った。前期リーグ残り15試合。週に2度、ハードな移動をこなしながらの戦いが続くが、関根はその中でもコンディションを保ち、コツコツとヒットを重ねていく。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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