TOWA TEI、最新作リリースに先駆け行われた11月3日(日)J-WAVE「SWEET ROBOTS SHOW」公開収録レポート!

文化の日であり、 レコードの日でもある11月3日に、 TOWA TEIがナビゲートを務めるJ-WAVE「SWEET ROBOTS SHOW」の公開収録が代官山の蔦屋書店で行われた。 限定100名のオーディエンスが見守るなか、 福岡在住のグラフィックアーティスト、 KYNEと、 モデルの水島サトリをゲストに迎えて、 リラックスした雰囲気のなか番組はスタート。

TOWA TEIの話によると、 3年前にテイが博多のイベントでDJをした時にKYNEと知り合ったとか。 それ以来、 二人は交流を深めて、 この日リリースした12インチ「ON AIR EP」のアートワークをKYNEが手掛けた。 本作は「SWEET ROBOTS SHOW」から生まれたコラボレート企画盤で、 そこからまず一曲かけることになり、 TEIが選んだのは女優・のんをフィーチャーした「RADIO」だ。 この曲は番組でのんが歌詞を朗読した音源を使用したもの。 曲に合わせて朗読したわけではないのにトラックにばっちり合っていることに驚くKYNEに、 TEIは「彼女は音楽的な人だから大丈夫」と太鼓判を押す。

ジャケットアートワークはKYNEに全面的に任せて一発でOKが出たとか。 KYNEは魅力的な美少女をモノクロで描くグラフティで注目を集めているが、 「ON AIR EP」もキュートな〈KYNEガール〉がカヴァーを飾っている。 しかも、 レコードの片面はKYNEのドローイングがレリーフで刻まれた特別仕様だ。 ちなみに、 KYNEが仲間のNONCHELEEEと立ち上げたアトリエ兼ショップの名前は「ON AIR」。 東京店がオープンした際のイベントにはTEIがDJとして駆け付けたとか。 そのイベントに現れた謎の老婦人の話やショップの近所の美味しい店の話で盛り上がった後は、 KYNEの選曲で八神純子「Touch you, tonight」をプレイ。 KYNEは今回の番組用に7インチ・シングルを大量に持ってきていたが「八神純子は見つけると買ってしまう」らしい。 80年代カルチャーから影響を受けているKYNEだが、 八神の歌には強く惹かれるものがあるようだ。

一方、 TEIが選曲したのは、 この収録が放送される11月6日にアナログがリリースされるソロ・デビュー・アルバム『FUTURE LISTENING!』(95年)から「Luv Connection」。 TEIいわく『FUTURE LISTENING!』のアナログの重要なのは、 ジャケットが見開きになって自立した状態で飾れること。 「仏壇みたいでしょ(笑)」とTEIはジャケットを立ててみせるが、 その見開き部分には、 五木田智央、 伊藤桂司のアートワークがデザインされていて、 ジャケット全体がひとつのアートとして楽しめる。 また、 サウンド面では、 昨年、 メンバーとして『SWEET ROBOTS AGAINST THE MACHINE 3』に関わった砂原良徳がアナログ用のリマスターを担当。 2枚組にしたことで音圧がアップするなど、 こだわりづくめのアナログだ。

そして、 TEIは同じ日にリリースされるコンピレーション『ARBEIT』についても紹介。 本作はTEIがプロデュースやリミックスなどを手掛けた曲を、 レーベルを越えて2枚組31曲というヴォリュームでまとめたもの。 当時のマスター音源はDATのため、 現在の自宅の機材では聴くことができず、 TEIはヤフオクでDATのプレイヤーを購入。 『ARBEIT』用に新しいミックスを施していることを明かした。 小泉今日子、 ダウンタウン(ゲイシャガールズ)、 ピチカート・ファイヴ、 tofubeatsと多彩なメンツが並ぶコンピレーションだが、 視聴者からの「今後やってみたい人は?」という質問にTEIは「内緒です!」と答えてファンに期待を抱かせた。

さらにTEIがらみの作品をもう一作紹介。 TEIは5年振りの個展にあわせて、 五木田智央と新ユニット、 GLUE SCISSORSを結成。 TEIのコラージュ作品約50点を収めた個展用の画集に、 新曲「GLUE SCISSORS」を収録したソノシートを付けた500部限定ヴァージョンを発売した。 その「GLUE SCISSORS」を、 本来は45回転なところを33回転で再生。 TEIは「45回転のものをあえて33回転で聴くのが好き」とレコードならではの楽しみ方を伝えながら、 「ぜひ、 画集を買って正解のヴァージョンも聴いてください」と宣伝した。

そして、 KYNEがセレクトしたクリスマス・ソング2曲(杉山清貴「最後のHoly Night」、 松田聖子「Pearl-White Eve」)をかけて、 早めのクリスマス気分に浸った後、 3人それぞれが今年一年を振り返った。 TEIは「今年はいっぱい作品が作れたのでやり切った気がする」とコメントしたが、 番組で紹介されたTOWA TEI WORKSは彼の多才さを伝えるものばかり。 来年の活躍も期待せずにはいられない、 TOWA TEIの絶好調ぶりを伝える番組だった。

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