現職「減量化」コンサル・N国「導入撤回」 海老名市長選、ごみ有料化巡る是非

海老名、座間、綾瀬の3市のごみを処理する高座清掃施設組合の「高座クリーンセンター」=海老名市本郷(同組合提供)

 10日投開票の神奈川県海老名市長選で、争点の一つになっているのが、ごみの減量化を目的に、市が9月末にスタートさせた家庭系ごみの一部有料化だ。導入した現職候補の内野優氏(64)は人口増でごみの排出量が増える現状を説明、理解を求める一方、新人で経営コンサルタントの氏家秀太氏(52)、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)の2候補は「市民への押し付け」と批判、導入撤回を訴えている。

 市が家庭系ごみの一部有料化に踏み切った理由は、ごみの減量化だ。

 市は座間、綾瀬の2市と高座清掃施設組合(海老名市本郷)を構成し、ごみの広域処理に取り組んでいる。組合と3市は、基本計画を2012年度末に改定。前計画の一部目標が困難となり、海老名市はごみ焼却量を中間目標の21年度で年間約2万5千トン、27年度に2万4千トンとする目標値に見直した。

 だが、市では海老名駅周辺の開発に伴い、人口が増加。ごみの排出量も増えており、近年の焼却量は2万9千トンで推移。基本計画の中間目標と4千トンの乖離(かいり)がある。

 こうした事情に加え、組合が本拠を置く本郷地区で4月、組合の「高座クリーンセンター」が本格稼働したことも影響している。

 センターの焼却炉は人口減など3市の将来予測を加味し、焼却能力を旧施設より105トン少ない日量最大245トンに設定。新たなごみ処理施設を巡る地元との調整が「5年に及んだ」(組合)経緯も踏まえ、焼却量や搬入車両台数で地元の負担軽減に努める必要にも迫られた。

 市長選では、改めて家庭系ごみの一部有料化の是非が争点になっている。

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