ブロッコリーで最高賞の天皇杯 雲仙ブロッコリー部会

秋物の出荷がピークを迎えたブロッコリー=雲仙市吾妻町

 JA島原雲仙の雲仙ブロッコリー部会(本多幸成部会長、55人)が、本年度の農林水産祭の園芸部門で最高賞の天皇杯に選ばれた。効率化と規模拡大に取り組み、高品質・安定出荷を実現したことや、若手育成を進めてきた点などが評価された。長崎県内からの天皇杯選出は3年ぶり14例目。11月14日に東京で表彰式がある。
 同部会は、雲仙市内でブロッコリーを栽培する専業農家を中心に組織し、1980年代から栽培に取り組む。97年に同市吾妻町で基盤整備が始まり、2011年から共同選果を開始。ほ場が整備されたことで大型機械の導入が可能となり、作業効率化が進んだ。
 16年、同町に総合集荷場が完成。大型の製氷機が導入され、氷詰めして鮮度を維持したまま出荷できる体制を確立。徹底した品質管理で、秋から春にかけての長期的な安定出荷を実現させた。昨年度の作付面積は延べ約167ヘクタールで、10年前と比べほぼ倍増。販売額も右肩上がりで、昨年度は7億6千万円を超え、本年度は9億円以上を目指す。
 後継者育成にも力を注ぎ、若手中心で品種比較実験や肥料試験を重ねる。8年前に約10人でスタートした若手後継者会は現在24人。農業研修生の受け入れや就農支援にも積極的に取り組み、若者の定着と育成が安定生産につながっている点も評価された。
 ドローンによる散布実験やスマート農業の研究にも取り組む。「会員一丸となった頑張りが評価されてうれしい」と本多部会長。秋物の出荷がピークを迎えた畑では、息子と一緒に汗を流す。「先人から継いだ豊かな土地を若い世代に残していく責任がある。これからも品質向上に努めたい」と力を込めた。
 農林水産祭は、農漁業者らの技術改善や経営発展の意欲向上を目的に、農林水産省などが毎年実施。農産、畜産など7部門に分け、今年6月までの約1年間で農林水産大臣賞を受賞した全国466点の中から各賞を選出した。

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