ミック・シューマッハー、ベッテルとの絆を語る「父とセブの関係に似ている」

 7度のF1世界チャンピオンであるミハエル・シューマッハーの息子のミック・シューマッハーは、セバスチャン・ベッテルとの関係は、ミハエルとベッテルのそれと非常に似ていると語った。

 ミックは2019年にFIA-F2に参戦するとともに、フェラーリのドライバー育成プログラムの一員でもある。

「僕はフェラーリに惹きつけられている。フェラーリとともに育ったし、1シーズンを除いては常にイタリアのチームからレースに出ている」とシューマッハーは『Motorsport-Magazin.com』の独占インタビューのなかで語った。

「初期のカート時代から、完全にイタリアのチームであるトニーカートからレースに出ていたからね。イタリアの人たちと仕事をしなかったのは、ファン・アメルスフォールトからF4に出た2015年だけだ。今ではプレマに所属することでまたイタリアのチームに戻った」

「彼らのモータースポーツへの情熱は本当に素晴らしいものだ。フェラーリではいっそう強くそう感じるね。マラネロやフィオラノを歩き回るのはとても特別な気分だよ。彼らはひとつの幸せな大家族なんだ。そこでフェラーリファミリーの一員として過ごすのは素晴らしい気分だ」

 ベッテルがミハエル・シューマッハーを慕っていたことは有名な話だ。ミックは、ふたりの関係と、今の自分とベッテルのつながりは似ていると語った。

「彼(ベッテル)をとても尊敬している。彼とはモータースポーツについてたくさん話をするんだ。彼からヒントを得て、実戦に活かそうとしている。彼はこのスポーツに僕よりも何年も長くいるから、会話のすべてが助けになるよ。僕の父がセバスチャンに対してそうだったように、彼はとても親しい存在で、モータースポーツについて一緒に話ができるんだ」

■「F2で苦労した経験はF1に昇格したときに必ず役に立つ」とミック

 ミックにとっての夢のマシンは、ミハエルが開発にかかわったフェラーリ458イタリアだという。
「僕としては458だね。僕の父は458イタリアに大きな貢献をした。彼の意見は重要だったんだ。父はこのマシンの開発においてエンジニアたちと多くの仕事をした」

「僕は父のDNAをすべてのフェラーリマシンに感じることができる。そのことは本当に誇りに思うよ。それに自然吸気エンジンのサウンドはすごくクールだ」

 F2での最初のシーズンは楽なものではないが、その経験は後のキャリアで役立つとミックは考えている。

「時々ちくしょうと思うこともあるけれど、学びの段階だということも分かっている。困難な時期が人を強くするんだ。もしそうした状況を好転させて最後にはポジティブな結果にすることができたら、最初からすべてがうまくいったときよりも多くのことを学ぶことができる」

「もしいつかF1に参戦し、突如として何もうまくいかなくなったら、プレッシャーは膨大なものになるだろう。そうした状況はドライバーを完全に潰してしまう。でもそのドライバーが以前にそうしたことをすべて経験して困難を乗り越えてきていたとしたら、その状況に慣れているだろうし、うまく対処することができると僕は思う」

2019年F1バーレーンテスト1日目 ミック・シューマッハー(フェラーリ)

 モータースポーツの世界に入っていなかったら何をしていたと思うかと聞かれ、ミックは他の仕事は考えられないと答えた。

「偶然だね。最近友人とまさにそのことについて話をしていたんだ。もしクルマに関わるいかなる仕事も選ぶことを許されていなかったらどうだろうってね。何も思いつかなかったよ。僕はいつもエンジンに囲まれてきたし、これからも常にそうだろう。プランBはどうなのかって? プランAがとてもうまくいっているじゃないか!」

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