対馬で日韓交流ウオーク JR九州高速船が初企画 もみじ街道 散策楽しむ

ふれあいウオークの参加者。手前右は釜山外国語大の韓国人学生で、左は九州産業大の日本人学生=対馬市上対馬町舟志、もみじ街道

 日韓関係が悪化している中、市民レベルの交流を深めようと、両国間で高速船を運航しているJR九州高速船(福岡市)は9日、長崎県対馬市上対馬町で「日韓交流ふれあいウオーク」を初めて開いた。日韓の約100人が紅葉で色づき始めた秋の対馬路を散策した。
 同社は韓国・釜山-博多間を結ぶ国際線の高速船「ビートル」を運航しており、経由地の対馬・比田勝-博多間では、昨年7月から国内線客も国際線に相乗りできる「混乗便」を始めている。
 ふれあいウオークには同日の釜山-比田勝便で来島した韓国人客81人と、混乗便を使って8日から2泊3日で対馬と釜山を巡る同社のモニターツアーに応募した日本人客20人が参加。上対馬町の比田勝港から約10キロ離れた紅葉の名所「もみじ街道」にバスで移動し、イロハモミジなどが群生する山あいの道を散策した。
 釜山外国語大3年の朴善娥(パクソナ)さん(20)と九州産業大3年の熊中麻里子さん(20)は、互いに好きな芸能人の話で意気投合した。朴さんは「対馬に来るのは初めて。人も自然も、すごくいい」。熊中さんは「テレビでは韓国人はみんな日本のことを嫌っているように報じていたけれど、実際に話してみてそうでないことが分かった」と話した。
 同社の水野正幸社長も同行し「対馬は、釜山と福岡で計500万人の観光商圏を取り込める地。未来志向の関係づくりに向け、来年以降も継続し、規模を拡大していきたい」と話した。

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