カンテレ・竹上萌奈アナが初執筆、祖父母モデルの戯曲を朗読会で上演!

劇作家・演出家わかぎゑふ氏が演出を手掛ける関西テレビアナウンサーによる朗読イベント「アナウンサー朗読会」が12月8日にカンテレなんでもアリーナで開催され、その模様が12月25日(午前4:29、関西ローカル)に放送されることが決まった。

初演から18年目を迎える今回は「おはなしの暖炉」というテーマで、寒い冬に心温まる話を12人のカンテレアナウンサーが朗読。今年は竹上萌奈アナが初めて書いたオリジナル戯曲を上演する。子どものころから読書好きだったという竹上アナは、朗読会用の上演作品を選定する際、自身の祖父母をモデルにしたストーリーを書いてみたいと思い立ち、2カ月かけて執筆した。7枚のA4用紙にまとめられたこの戯曲は、朗読作品であることを意識し、文節は短く、耳に残るように文章を読み上げながら書いたという。この作品を読んだわかぎ氏は「萌奈ちゃんの、これいいやん!」と、即採用が決定した。

竹上アナの処女作となる戯曲「まんまるな君」は、認知症になった妻を優しく見守る夫の目線で書かれた老夫婦の物語。妻はまんまるな顔立ちで、勝ち気なお嬢さま。妻は認知症になって以来、夫を「じいや」と呼んでは無理難題を言いつけるが、夫は妻にあわせて「じいや」を演じる。認知症という現実に悲観的にならず、むしろ妻の見ている世界をともに楽しみながら、かけがえのない今を慈しむように寄り添う夫。なにかと妻に振り回される夫の様子がユーモラスに描かれ笑いを誘うが、時折妻がみせる “夫への不器用な愛情表現”に、「夫婦の絆」を感じられる作品となっている。

実際、竹上アナの祖母は勝ち気な材木商のお嬢さまで、亡き祖父は寡黙で優しい夫だったそう。人物設定や作品中のエピソードは事実に基づいて描かれているが、認知症になったのは、実際は祖父のほうであったという。竹上アナは「祖母が明るく一生懸命に認知症の夫を介護する姿を見て、この作品を書いてみようと思いました。でも、実際の介護は大変だったので、そのまま書くとルポルタージュのようになってしまいます。今回は物語として温かい出口にしたいと思ったので、フィクションを加えました。祖母を見て、人は何歳まで恋をしていられるのだろうという思いもありました」と話している。

朗読会では妻を谷元星奈アナ、夫を林弘典アナが演じ、最後に竹上アナは「改めて自分の家族、好きな人など、大切な人がそばにいるありがたさを感じていただけたら」と思いを語った。今回はほかに、ショートショートの名手と呼ばれるオー・ヘンリー作「賢者の贈り物」や、わかぎ氏のオリジナル戯曲「ビバ・マリア」などが上演される。

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