どうやって大切に使ってゆくか 富山地鉄全駅探訪64 【50代から始めた鉄道趣味】146

※2019年7月撮影

では、富山地方鉄道の魅力的な木造駅舎の総集編。第二回です。

東三日市駅。1922年(大正11年)黒部鉄道の駅として開業。1959年(昭和34年)に駅舎が改築されています。ちょうど還暦ですね。珍しく方形に近い駅舎。周囲の石段も良いです。

※2019年7月撮影

荻生駅。1922年(大正11年)黒部鉄道の駅として開業。残念ながらレールの反対側に新しいホームと駅舎が作られています。この建て替え前にこの駅に行きたかったので今回のタイミングになったのです。この木造駅舎を眼に焼き付けたい方は、急いで富山に行きませう。

※2019年7月撮影

舌山駅。1922年(大正11年)黒部鉄道の駅として開業。塗装が少しずつ傷んできました。塗って無い状態もチャーミングだと思いますが。

※2019年7月撮影

若栗駅。1922年(大正11年)黒部鉄道の駅として開業。線路の反対側に使われなくなった側線が残っていました。丸太が並べられているのも面白かった。

※2019年7月撮影

浦山駅。1922年(大正11年)黒部鉄道の駅として開業。雪深いエリアなのでシングル屋根です。元は瓦葺きだったのかしら。

※2019年7月撮影

愛本駅。1923年(大正12年)黒部鉄道の駅として開業。屋根の作りが複雑です。この駅から山間部に入ってゆくので、踏切の向こうはダイレクトに山です。

※2019年7月撮影

内山駅。1923年(大正12年)黒部鉄道の駅として開業。補修でトタン板に覆われていました。ホーム側は木の地が出ているのでそちら側から見ると魅力的ですよ。

※2019年7月撮影

東新庄駅。1931年(昭和6年)開業。昭和モダンというのか、特徴的なひし形ファサードのデザイン。極めて強く印象に残っています。

※2019年7月撮影

越中三郷駅。1931年(昭和6年)開業。この駅舎も屋根が美しい。右書きの古い駅名も良いですね。

※2019年7月撮影

寺田駅。1931年(昭和6年)開業。2016年(平成28年)駅舎改修。こうやってオリジナル駅舎をメンテして使ってゆくことも重要ですね。いささかキレイ過ぎる気もしますが、このまま50年くらいは大切に使えそうです。

※2019年7月撮影

撮影した順番なので立山線に戻って、榎町駅。1921年(大正10年)立山鉄道の駅として開業しています。妻側に付けられた蛍光灯がカブトムシの角みたい。

※2019年7月撮影

下段駅。1936年(昭和11年)開業。やはり木の壁面が魅力あります。元の駅事務スペースに窓が一切ないのがちょっとヘンです。

※2019年7月撮影

釜ヶ淵駅。

1921年(大正10年)開業。駅舎は1960年(昭和35年)に改築されています。ファサードの軒下の梁を支える柱が浜加積駅、西魚津駅にも同じものがありました。すごく気に入ったのですが、共通のデザイナーなのかな。

※2019年7月撮影

富山地方鉄道の風格のある古い木造駅舎の素晴らしさは拙い写真からも感じていただけると思います。問題はこれらの貴重な駅舎をどの様に保存しオリジナルを維持したまま使用し続けるかです。寺田駅や月岡駅の様にオリジナルのままキレイに改修するという方法もありますが、個人的には剰りにもキレイになり過ぎて、時間によって培われた風合いに欠ける様な気もします。「それでは、具体的な提案はあるのか?」と言われたら返答に窮します。京都や奈良の古い寺社建築の様な保存には物凄いコストが必要なことも分かっていますし。う~ん。困った。

でも、まずは一人でも多くの方が古い木造駅舎に愛着を感じて下されば良いと思います。宜しくお願いします。

 

では【50代から始めた鉄道趣味】147 をお楽しみ。

 

(写真・記事/住田至朗)

© 株式会社エキスプレス