京セラ・谷本社長インタビュー 地元との協業広げたい

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「長崎が京セラグループの西の拠点になってほしい」と期待を込めて語る谷本社長=長崎市内

 京セラの谷本秀夫社長は13日、長崎新聞のインタビューに応じ、新設した「長崎イノベーションラボ」について「最先端技術の開発拠点。グループの成長は、優秀なIT人材を獲得できるかにかかっている」と強調した。

 -京セラグループにとって長崎の位置付けは。
 7月、複数の拠点を集約し、ICT研究開発を主とする計700人規模の拠点を横浜市に新設した。実は関西の方がIT人材の確保が難しくなっており、長崎が西の大きな拠点になってほしい。

 -地元企業との協業は。
 既に不動技研工業(長崎市)などと情報セキュリティー分野で具体的な話を進めている。他社にも広げたい。IT業界では自前主義よりも、得意な分野を持つ企業の力を借りた方がいい。スピードがなければ仕事にならない。

 -他のIT企業も人材を求めて長崎に進出している。どう差別化するのか。
 来春新卒者は長崎大や県立大、佐世保高専からスムーズに採用できた。だが人材獲得競争は全国どこも一層激しくなる。わが社はオフィス環境や労働時間など働き方の自由度を上げ、社員がやりがいを持てるようにしていく。(自宅で働く)テレワークも取り入れたい。ITに限らず専門知識を要する仕事は増えており、それを持つスペシャリストには相応の手当も付けるようになるだろう。

 -求める人材像は。
 専門知識があればうれしいが無くても、向上心は求めたい。入社後に自分の成長を感じられたらいい。ひと昔前の製造業はチームワークが重視されたが、突拍子もない人がいないとイノベーションは起きにくい。

 -自身は地元出身だ。
 その縁で県産業振興財団の方が熱心に来て、県内の人材育成状況などを紹介してくれた。ちょうどIT人材を取れないと感じていた時期だった。

 -県内の基幹製造業の業績が低迷している。
 これからのものづくりはロボット化が進むので、かつてほど雇用を生まない。一方、人工知能(AI)は自動化を加速させるが、AI自体は人が作らなければならず、そこに雇用が生まれる。あらゆる製品にソフトウエアを組み込む時代。長崎は西の端だが、ITに距離や交通アクセスの不利はない。

 【略歴】たにもと・ひでお 1960年、長崎市出身。県立長崎西高、上智大理工卒。82年に京都セラミック(現・京セラ)入社。ファインセラミック事業本部長、常務などを経て2017年から現職。