百万両の借金を見事な手法で消し去る、人を殺めるための剣術を芸術に昇華させる...「誰も知らない江戸の奇才」発売!

株式会社三栄(新宿区)は、 サンエイ新書「誰も知らない江戸の奇才」(河合 敦・著)を発売した。

慶長八年(一六〇三)、 徳川家康が江戸に政権を開いた。 これにより一世紀以上続いた戦国の世は終わりを告げ、 戦に駆り出されたり居住地が戦場になる心配をせず、 人々は安穏と暮せるようになった。 そして、 その状態は二五〇年以上続いた。 このため、 自分の才能を磨いて大きく伸ばし、 偉業を成し遂げる人間があらゆる分野で現れてくる。

松尾芭蕉、 平賀源内、 杉田玄白、 上杉鷹山、 伊能忠敬、 葛飾北斎などは、 その代表といえるだろう。 しかし本書では、 その存在や業績がほとんど知られていない、 それでいて驚くべき能力を発揮した人々にあえてスポットを当ててみた。 まだまだスゴい人物が埋もれている事実を皆さんに知っていただき、 歴史に興味を持ってもらいたいからである。

たとえば、 蒸気船や大砲など、 西洋の優れた製品をいとも簡単に模倣してしまった田中久重。 日本初の西洋型城郭や高炉をつくり、 ロシアに出向いて交易に成功した武田斐三郎。 鎖国の時代に外国の情報を広く庶民に伝え、 江戸時代人の世界観をつくり出した西川如見。 五百万両の藩の借金を見事な手法で消し去り、 幕末に政治力を発揮できる素地をつくった薩摩藩の調所広郷。 厳しい修業のすえに、 人を殺めるための剣術を芸術にまで昇華させた白井亨。 男尊女卑の江戸時代の社会にあって、 男たち以上に文芸の世界で活躍した江馬細香。

本書で紹介する十三人は、 いずれも神から与えられたギフトを有する天才ではない。 「楽しいから。 必要に迫られ。 他人のために」など、 その理由はさまざまだが、 皆、 すさまじい努力や犠牲を払ったすえに高い能力を獲得した人々だ。 とてもまともな人間のできることではないので、 本書のタイトルを「江戸の奇才」とした。

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