【プレミア12】侍ジャパンが“お手本”にすべきオリ張奕 なぜ好調韓国を止められたのか?

韓国打線相手に好投した台湾代表のオリックス・張奕【写真:Getty Images】

韓国戦に先発し6回2/3を4安打4四球も4奪三振無失点

「第2回 WBSC プレミア12」(テレビ朝日系列で放送)に参加する野球日本代表「侍ジャパン」は16日、そして17日の決勝戦で韓国と対戦する。韓国はオープニングラウンドC組を無傷の3連勝で勝ち上がったが、スーパーラウンドでは12日の第2戦、チャイニーズ・タイペイに完封負けを喫した。チャイニーズ・タイペイ代表に参加するオリックスの張奕(チャン・イー)は12日の韓国戦(ZOZOマリン)に先発し、6回2/3を4安打4四球も4奪三振無失点と好投。張奕はどのようにして強敵・韓国打線を抑えたのだろうか。

 張奕は2016年の育成1位でオリックスに入団。当時は打者だったが、2018年に投手に転向し、今季1軍デビュー。8試合に登板し、2勝4敗、防御率5.93としていた。今大会では2試合に先発し2勝を挙げている。

 韓国戦では初回、先頭に四球を与え、無死一、二塁までピンチを広げた。さらに2回も四球を与えてのスタートと立ち上がりに苦戦。しかし決定打は出させず、直球にフォークやカーブを交えてゴロアウトを奪っていった。

 張奕は「決め球としてはフォークとか、変化球は凡打を取れました」とこの日の投球を振り返る。「データを集めてあるので、それを基にキャッチャー、バッテリーコーチも含めてミーティングをしました。2巡目、3巡目で配球を変えたので、バッターは嫌な気持ちになったのではないか」と好投の要因を語った。

 台湾で生まれ育ち、福岡第一高、日本経済大とプロ入り前から日本で野球を続けてきた張奕に、今大会の韓国打線の印象を聞くと、「日本のスタイルとメジャーリーガーを合わせたようなスタイルだと感じた」と話す。「日本のバッターは1巡目はボールをよく見て、2巡目から攻撃してくることが多いという印象。韓国のバッターはストライクゾーンに来た球は(1巡目でも)絶対振ってくる。そこは日本と違うと思う」。

 また張奕は「韓国だけでなくアジアのバッターはみんなそうだと思うが、粘ってくる。球数を使わなければいけないので、自分も球数は気にして投げましたがそれでも112球……自分でもびっくりした」という。15日のメキシコ戦(東京ドーム)でも韓国は初回を3者で終えたものの、17球。その後も7、8球粘って四球、空振り三振という場面も多く、先発バレダは3回1/3で59球も投げさせられた。日本も細かい継投は必須となりそうだ。(臼井杏奈 / Anna Usui)

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