「臓器移植」事前に意思表示を 純心大で出張講座 学生、啓発のアイデア出し合う

臓器移植の意思表示の普及について意見を交わす学生=長崎市三ツ山町、長崎純心大

 県健康事業団は15日、臓器提供の意思表示の啓もうを図るため、長崎純心大で出張講座を開いた。人文学部地域包括支援学科の3年生16人が参加し、臓器移植への理解を深めた。
 初めに県臓器移植コーディネーターの竹田昭子さんが概要を説明。「(脳死状態になった場合)提供可否の意思表示をしていなければ、家族が代わりに重大な決断を求められる。事前に自分の気持ちを考え、家族や大切な人と話し合ってほしい」と呼び掛けた。
 その後、「若い世代に意思表示を広めるには」をテーマに、学生たちが三つのグループに分かれて議論。「人気のアニメや絵本で伝える」「有名人に発信してもらう」「授業参観で臓器移植の題材を扱い、親子で話す機会にしてもらう」などの意見が上がった。
 講座は同大と長崎新聞社との「包括的連携協力に関する協定」による取り組みの一環。同事業団によると、県内では近年、年間2~5件の臓器提供がある。一方で臓器移植の待機者は約150人いるという。意思表示は専用カードに記入するほか、健康保険証や運転免許証の裏面などに記載する方法がある。

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