隠れた好左腕・ポメランツ リリーフで三振率47.2%を記録

フリーエージェント市場で多くの球団から注目を集めそうなリリーフ投手として、ウィル・スミス(すでにブレーブスと契約)、ウィル・ハリス、そして故障からの復活が期待されるデリン・ベタンセスらの名前が挙げられるが、ひっそりと好成績を残していたサウスポーがいる。その男の名はドリュー・ポメランツだ。今季、防御率4.85に終わったポメランツだが、今オフ最高のリリーフ補強になる可能性を秘めている。

ポメランツといえば、ロッキーズ時代にプロスペクトとして期待されながらも大成できず、メジャー6年目の2016年にようやく初の2ケタ勝利となる11勝、2017年にはレッドソックスで自己最多の17勝をマークした先発左腕だ。しかし、ジャイアンツで開幕を迎えた今季は、先発で結果を残せず、先発で17試合、リリーフで4試合に登板して2勝9敗、防御率5.68に終わり、7月末にトレードでブリュワーズへ放出。しかし、移籍後は先発で1試合、リリーフで24試合に登板し、防御率2.39と復調した。

そのなかで注目したいのが、ポメランツの三振奪取能力の高さだ。ポメランツには、ジョシュ・ヘイダー(ブリュワーズ)やクレイグ・キンブレル(カブス)のような知名度はないものの、今季リリーフで28回2/3を投げて106人の打者と対戦し、50奪三振を記録。9イニングに換算すると15.7三振となり、もっとわかりやすく言うと、対戦した打者の47.2%を三振に仕留めているのである。

2002年以降の18シーズンで、リリーフとして100人以上の打者と対戦し、47.2%以上の三振率を記録した投手はポメランツを含めて5人(6度)だけ。2014年に52.5%を記録したアロルディス・チャップマン(当時レッズ)を筆頭に、キンブレル(唯一2度記録)、カーター・キャップス、ヘイダー、そしてポメランツという顔ぶれである。このうち、キャップスだけは故障により大成できなかったものの、他にもトップ10にはエリック・ガニエ、アンドリュー・ミラー、エドウィン・ディアスらが名を連ねており、今季ポメランツがリリーフで残した数字は、「超一流リリーバー」のそれなのだ。

リリーフ転向後は、フォーシームの平均球速が上昇し、フォーシームの投球割合も増加しているというデータがある。速球の威力が増した結果、決め球のカーブもより効果的になり、それが三振率の急上昇に繋がったというわけだ。今季のたった28回2/3だけで「ポメランツは超一流のリリーバー」と決めつけてしまうのは早計かもしれないが、ブルペンの補強を目指す球団が獲得を検討する価値は十分にあるだろう。

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