東芝エネルギーシステムズ、プラント施設や高所設備のドローン活用した点検技術開発

ドローンを活用した点検サービスの概要

株式会社東芝(以下:東芝)と東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下:ESS)は、ドローンを活用したプラント施設や高所設備の点検技術を開発した。プラント施設や高所設備の3Dイメージを精緻に構築し、ドローンの最適な飛行ルートの事前生成と画像認識技術を組み合わせることにより、劣化箇所の把握などの点検を行う。

同技術では、最初に東芝プラントシステム株式会社が保有する3Dレーザ計測技術を用いて、対象施設の形状を計測し、サイバー空間上に施設の形状を三次元に再現する。次に、東芝が保有する生産シミュレーション技術を活用し、施設を撮影するためのドローンの最適な飛行ルートをサイバー空間上で生成する。

その後、最適な飛行ルートに従ってドローンが自律飛行してフィジカル空間上で施設を撮影し、サイバー空間上に施設を三次元で再構成する。ドローンが撮影した画像に、東芝が保有する画像解析技術を用いることで、錆などを検出し、劣化箇所を特定することが可能。また、定期的に点検することで経時変化を把握することができ、将来の劣化予測につなげることも期待できるという。

東芝およびESSは、傘下の株式会社シグマパワー有明が運営する福岡県大牟田市の三川発電所のボイラー施設(一部休止中の設備を含む)にて同技術の実証実験を行い、プラント施設の3Dイメージの構築を含む一連の作業工程と、構造物の錆などが適切に検出できることを確認したという。

東芝およびESSは同技術を、2019年11月7日、8日に、東芝デジタルソリューションズ株式会社がグランドニッコー東京・台場で開催する「OPEN INNOVATION FAIR 2019」に展示する予定。

今後展示会や個別の提案活動により、パートナー企業を募り、PoC(概念検証、Proof of Concept)を通して個別のニーズに合わせた付加機能の検証等を行うことで同技術の完成度を高め、実用化を目指すという。

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