市民、市政の正常化期待 延岡水道料引き下げ可決

 「今後にしこりを残さないで」―。延岡市の水道料金引き下げを巡る、読谷山洋司市長と市議会の約2カ月半に及ぶ「対立」は18日決着した。市民の間には安堵(あんど)感が広がり、市政運営の正常化を期待する意見が上がった。
 臨時会は午前10時すぎに始まり、常任委での議論を経て本会議採決は午後5時すぎにずれ込んだ。全員が反対した自民党きずなの会(8人)幹事長の稲田雅之議員は「国補助による耐震化事業を活用して浮いた分で料金を引き下げるのはやはり疑問。人口減少で(収入が減り)料金はいずれ引き上げなければならない。結果は粛々と受け止めるが、今後も是々非々で議論していく」。
 一方、大半が市長案賛成へ転じた友愛クラブ(8人)団長の下田英樹議員は「市長との対立構図を解消できてほっとした。水道料引き下げと耐震化推進の財源が明確になり反対理由はなくなった。双方の意見が両立された」と述べた。
 傍聴席では市民ら約50人が採決を見守った。議会の対応に疑問を持つ市民でつくる団体「のべおかふる里応援団」事務局長の久世恭久さん(67)は「ようやく市民の声が届いた。今後も議会を監視していきたい」。同市桜ケ丘の楠田幹夫さん(64)は「正しい市政運営には、議会が市長をチェックする役割も重要。しこりを残さず、しっかり機能してほしい」と注文した。

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