上陸禁止の軍艦島 再開まで最長2020年3月20日までの見通し

端島(軍艦島)

 長崎市は18日、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産で、9月の台風17号で見学施設が損壊し、上陸禁止となっている端島(軍艦島)について、上陸再開までの期間が最長で来年3月20日までかかるとの見通しを明らかにした。
 昨年は、台風被害で10月から過去最長の約4カ月間、上陸禁止が続いた。観光に打撃が生じ、市の上陸料収入も2500万円程度減った。今回も復旧まで長期化しており、影響の拡大が懸念される。18日の定例会見で田上富久市長は「できるだけ早く完成するよう努力する」と述べた。
 市観光政策課によると、軍艦島は桟橋や通路の柵が壊れ、船の接岸時の衝撃を緩衝させる防舷材も破損した。資材は備蓄があるが、防舷材設置にはクレーンや台船を使った作業が必要で、台船の確保や漁業者との調整が必要という。
 今回の影響について同課は「ホテルではキャンセルが出ていると聞いており、影響は大きい。最終的には昨年度に匹敵すると予想される」との見方を示した。

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