創部5年目、世界にトライ 関東六浦高女子ラグビー部

 水色とネイビーのジャージは、かつて大学ラグビーを席巻した“カントー”を想起させる。2015年春に県内初の女子ラグビー部を創部した関東六浦高が28日、福岡県宗像市で開幕するサニックスワールドユース交流大会2019女子セブンズに出場する。創部5年目で初の国際大会だ。

 関東の強豪を破り大舞台への切符を手にした。3月の関東U18女子セブンズ大会。勝てば優勝の決まる国学院栃木高との一戦、10-12の後半ノータイムからだった。最後はチーム一のアタッカー・佐藤日向子選手が逆転トライを決め、表彰台に上った。

 「大柄な選手や抜群のスピードを持つ選手はいない」と梅原洸監督(35)は言うが、日ごろから男子部員に交じり走り込んで鍛えた持久力が強み。複数人でのタックルからボールを奪う堅守速攻も磨いてきた。

 創部当初は2人で始まったが、今春は新入生14人が入部して26人のチームに。毎夏、体験会を実施するなど普及活動も進め、神奈川女子ラグビーの受け皿へと成長した。佐藤選手も中学時代はバスケットボールに励む一人だったがラグビースクールコーチの父の影響で、北海道から単身横浜へ。「バスケで身に付けた動きを生かしたいし、将来は日本代表になりたい」と夢を描く。

 新興校でありながら、掲げるのは「世界一」。今春はラグビー王国・ニュージーランドへ遠征。体格差のある相手と練習試合も行い「走り勝てた部分もあったし、セットプレーからボールをしっかり動かせた。良い予行演習になった」と主将・粂日向子選手は手応えを得た様子だ。

 28日の予選リーグ初戦では、いきなりニュージーランドの高校と対戦する。佐藤選手が「自分の足に自信を持ってトライを奪いたい」と言えば、粂選手は「背筋が伸びて重みを感じる」。伝統のジャージーをまとい初の大舞台へ、自覚は十分だ。

© 株式会社神奈川新聞社