無料WiFiなど観光振興に重点 宮ケ瀬ダム今年度予算

無料ワイファイが導入されることになった宮ケ瀬ダムのダムサイト=愛川町半原

 神奈川県の相模原市、愛川町、清川村にまたがる宮ケ瀬ダムの運用にあたっている国土交通省相模川水系広域ダム管理事務所(相模原市緑区)は8日、2019年度当初予算の概要を発表した。訪日外国人客(インバウンド)の誘致も視野に入れた観光振興の一環として、今秋をめどに無料の公衆無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」サービスをダムサイト一帯に導入することなどに取り組む。

 ワイファイ導入の事業費は、今年1月から徴収が始まった国際観光旅客税を財源とする観光振興調査費(約5300万円)を活用。同調査費には、ダムサイト案内看板の新設やホームページの多言語化も盛り込まれた。一般開放時に見物客らから「見晴らしがよい」と好評を博している高低差約125メートルのダムの管理用階段(約500段)についても、同調査費で雨後の滑り止めなど安全対策を講じる。

 また、ダム本体や警報局などの施設の安全や機能を保持するための堰堤(えんてい)維持費は、前年度当初比1%増の約10億5900万円を計上。「低位常用洪水吐(こうずいばき)」と呼ばれる放流設備の漏水を防止する水密装置も、老朽化に伴い更新する。

 そのほか、ダム放流時に放送を流す警報局や警報中継局の装置を更新・改修する。対象は愛川町域や相模原、厚木市域の計22局。設置から20年以上が経過し、経年劣化が目立っているという。

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