フランス国籍は世界最高を維持する一方、ブレグジットの英国籍は劇的な低下のリスク

フランス国籍は世界最高を維持する一方、ブレグジットの英国籍は劇的な低下のリスク

AsiaNet 81302(2129)

【ロンドン2019年11月13日PR Newswire=共同通信JBN】フランス市民は自らの国籍が再び世界一とランク付けされたことに気を良くする一方、英国市民にとってはハードブレグジット(合意なきEU離脱)によって国籍の地位が世界8位から56位(中国の現在の地位)に大きく低下する可能性がある。これは、世界中の国籍を客観的に測定して法的地位としてランク付けする唯一のランキングKalin and Kochenov’s Quality of Nationality Index(QNI)(https://www.nationalityindex.com/)の最新調査に基づくものである。

フランスは8年連続してトップの地位を確保し、100%中の83.5%のスコアを獲得し、82.8%で同率2位のドイツやオランダよりも1ポイント弱上回った。フランスの相対的優位性は比較的高い定住の自由度にある(これは同国の旧植民地帝国に主に起因する)。

今年のインデックスのトップ10で、デンマークは81.7%のスコアで第3位となり、ノルウェーとスウェーデンは81.5%で同率4位になった。5位から10位までは、アイスランド、フィンランド、イタリア、英国、アイルランド、スペインの順だった。

米国は70.0%のスコアで、QNIの25位だった。同国が比較的低い水準になったのは、主にEU加盟国に比べて低い定住の自由度に起因する。中国は56位で昨年よりも4つ順位を上げ、ロシア連邦は順位を2つ上げて62位に上昇した。UAEは同国としては最高のランクとなる42位を確保した。今年のQNIの最低の国籍は南スーダン、アフガニスタン、ソマリアである。

▽ブレグジットは英国籍の資質を低下させる可能性がある
EU諸国は通常、加盟国間で許可される定住の自由度におけるリベラルな水準のためにQNIで極めて良い成績を上げている。しかし、英国はこの規則から逸脱する可能性があり、EUから合意せずに離脱すれば現在の8位の地位が危うくなる可能性がある、

法学教授でCitizenship(https://mitpress.mit.edu/books/citizenship)の著者であるドミトリー・コチェノフ博士と、Henley & Partners(https://www.henleyglobal.com/)会長でIus Doni(https://brill.com/view/title/35959)の著者であるクリスチャン・H・ケーリン(https://chriskalin.com/)がこのインデックスの共同創作者である。コチェノフ博士は「英国は、武力衝突を経ずに国籍の資質を大幅に弱体化させるという意味で世界記録を樹立する可能性がある。ブレグジットの結果次第で、英国は『極めて高資質』の国籍のエリートグループから『高資質』区分に転落することを経験する可能性がある。ハードブレグジットによって、英国は、英国定住ないしはEU管轄区域、スイス、ノルウェー、アイスランドでの労働の権利を認めない国籍になり、世界で最も発展した場所が取り返しのつかない仕方で自らの国籍の資質を弱体化させる可能性がある」と語った。

まずないと考えられるが、最悪のシナリオでは、ブレグジットが引き起こす景気停滞によっては英国の地位がさらに低下し、中国やロシアと並んで「中程度の資質」層になる可能性がある。

ケーリン博士は、このインデックスは個人と政府の両方に極めて関連していると語った。博士は「われわれの国籍は、旅行、ビジネス、さらには長く健康でより実りある人生を送る機会と自由に直接の影響を与えるのは明白である。QNIが説明する現実は、多くの面で不公正であり遺憾なことである。多くの場合、われわれの国籍は、われわれの大志にとって極めて不合理な上限を設定するのに重要な役割を果たしている」と語った。

QNIリポート全文のダウンロードはウェブサイトhttps://www.henleyglobal.com/quality-of-nationality/を参照。

▽報道関係問い合わせ先
Sarah Nicklin
Senior Group PR Manager
sarah.nicklin@henleyglobal.com

ソース:Kalin and Kochenov’s Quality of Nationality Index