秋元康渾身の一曲、伊武雅刀「子供達を責めないで」これぞ企画屋の本領発揮! 1983年 11月21日 伊武雅刀のシングル「子供達を責めないで」がオリコンチャートで最高位(21位)を記録した日

仕掛け人 秋元康と伊武雅刀のコラボレーション「子供達を責めないで」

「子供達を責めないで」って言う曲をご存知でしょうか。1983年の秋、突然、どこからか沸いてきたようにヒット戦線に躍り出た曲なんですよね。

あ、いや、曲というよりも、全編、演説… というか延々とナレーションだけなんですけどね。で、BGM として音楽が流れているんだよね。いや、今聴いても、とっても不思議な曲なのですよ。

仕掛け人は、天才企画人の秋元康氏なんですけどね。そう、今をときめく大プロデューサー・秋元康氏が表舞台に出て来た頃の曲。歌っている… というか“演説”しているのは、いまや性格俳優として確固たる地位を築いた伊武雅刀氏。

YouTube によると、「伊武が出演するラジオ番組が期日までに終了出来なかったペナルティ」という触れ込みで、当時の伊武の所属事務所社長が秋元氏に依頼した1曲のようですね。

もともと、見た目からしてちょっと気持ち悪いスネークマンショーの伊武雅刀氏の、この “演説” が、これまた気持ち悪くていいんですよ。

原曲はサミー・デイヴィス Jr. の「Don't Blame the Children」っていう、1967年の曲。タイトルどおり「子どもは無垢でどこも悪くないんだ」っていう内容の曲だったんだけど、そこは “企画屋” 秋元氏の本領発揮。大胆な発想で、まーーーったく逆の内容にしちゃったんだよね。子ども嫌いの大人から見た視点で。

笑撃的な歌詞「子供達を責めないで」中学生の替え歌筆頭候補!

 私は子供が嫌いです
 子供は幼稚で 礼儀知らずで 気分屋で
 前向きな姿勢と 無いものねだり
 心変わりと 出来心で生きている
 甘やかすとつけあがり
 放ったらかすと悪のりする

… とはじまる、飽くなき「子ども批判」な内容を延々と語っている曲なんですよ。今だったら、子供批判だとか、虐待助長だとか、コンプライアンスなんたらかんたらで、まずレコード化するのは難しいだろうな…。良き昭和時代の1曲とでも言うべきなのかな。

ちなみに、秋元氏によると、ここに出てくる「子供」は、秋元氏自身がモデルだとか。是非、テレビで観たかったんだけど、なかなかテレビの歌番組で歌ってくれなかったんだよね。

当時中学2年だったワタシですが、ある日、クラスの誰かがこのレコードを学校に持って来たんだよね。丁度というか、たまたま教室にあったポータブルのレコードプレイヤーで、友達みんなで聴いた。いや、これが面白くてねぇ!腹抱えて笑いましたよ!

それから、これの替え歌作りが流行ったりしてさ。クラスの仲いい連中で替え歌作ったなぁ。「○○先生を責めないで」とか。当然「わたしは○○先生が嫌いです…」から始まり、「性格が悪くて、足が臭い!」とか言いたい放題(苦笑)。まさに中2病そのもの。入学したての張りつめた緊張感も無く、受験を控えてお尻に火がついた状態でもなく、中学3年間で一番のほほんとした時期でしたからねぇ。

Song Data
■ 伊武雅刀 / 子供達を責めないで
■ 作詞:Ivan Reeve
■ 作曲:Hidle Brown Barnum
■ 編曲:清水信之
■ 日本語詞:秋元康
■ 発売:1983年8月25日
■ 発売元:CBSソニー
■ オリコン最高位:21位
■ 売上枚数:14.3万枚

■ かじやんの THE HITCHART HOT30 最高位:22位
■ HOT30 ランクイン期間:1983年10月3日~11月28日付

カタリベ: かじやん

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