長崎県総合戦略 <ひと> 大卒者の定着進まず 都市部企業の採用活発に

 若者の長崎県内就職率は伸び悩んでいる。昨年度、県内大卒者の長崎県内就職率は41%で2年連続の低下。最終目標の55%とは開きがある。県内高卒者は61.1%で総合戦略の策定前より上昇したが、目標の64%には届かなかった。

 長崎県によると、売り手市場を背景に人手不足が深刻になり、都市部の企業が地方でも採用活動を活発化。知名度が高く待遇がいい都市部の企業を選ぶ長崎県内の学生が増えたという。

 長崎県は県内企業と大学生の交流会や、高校に配置した就職支援員などを通じ、長崎県内企業の情報を学生に伝えてきた。ただ、若者の定着には長崎県内企業の魅力向上も欠かせず、担当者は「最後は企業が機会をどう生かすかになる」とする。

 一方、昨年度の長崎県への移住者は1121人で最終目標の660人を大きく上回った。16年度に相談窓口を設置してから右肩上がりで増加。担当者は「県外からUターンしたくなった人に、就職支援などサポートしたい」としている。

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