MVP投票3位のセミエン アスレチックスが放出に動く可能性も

今季、マーカス・セミエン(アスレチックス)は全162試合に出場して打率.285、33本塁打、92打点、123得点と素晴らしい成績を残し、アメリカン・リーグのMVP投票で3位にランクインした。しかし、日本時間11月22日、MLBネットワークに出演したピーター・ギャモンズは、アスレチックスが今オフ、セミエンについて難しい決断を迫られると指摘した。

セミエンは来季終了後にフリーエージェントとなり、年俸調停期間のラストイヤーとなる来季は今季の年俸590万ドルからの大幅な昇給が予想される。アスレチックスはまず、今季急成長を遂げた正遊撃手との契約延長を目指すと見られるが、交渉が不調に終わった場合、フリーエージェントによる流出でドラフトの補償指名権を得るよりも、トレードで放出して若手有望株を得ることを狙うだろう。

今オフのフリーエージェントの遊撃手市場は、決して人材豊富とは言えない状況であり、今季の大活躍により市場価値が高騰しているセミエンを放出するにはベストのタイミングと言える。ギャモンズは「アスレチックスはセミエンの価値が今オフ以上に高騰することはないと考えるべきだ」と語っており、契約延長がまとまらないのであれば、今オフのうちにトレードしてしまうべきと考えているようだ。

現在29歳のセミエンは、キャリアハイのシーズンを過ごした今季、「OPS+」で自己ベストの138を記録したが、昨季までは一度も99を超えたことがなく、平均以下の打者に過ぎなかった(メジャー平均は100)。実際、昨季は打率.255、15本塁打、出塁率.318に終わり、「OPS+」は95にとどまっていた。

メジャー有数の低予算チームの1つであるアスレチックスは、MVP投票で3位にランクインした正遊撃手について、どのような決断を下すのか。遊撃手の補強を目指すチームにとっては、フリーエージェント市場のディディ・グレゴリアス、ホゼ・イグレシアスらとともに、セミエンが補強ターゲットの1人となるかもしれない。

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