1gでも軽く小さく暖かく! 第1回パッカブルダウン・ミニミニ選手権開幕 山の保温着として欠かせないダウンジャケット。今回は「パッカブルダウン選手権」を開催します!250g以下の4製品を比較し、「軽量性部門」と「収納性部門」に分けて比較。携行性に優れた商品を検討していきます。1位はあのメーカーのあの製品。その軽さと小ささには驚愕です!

軽量&コンパクトなパッカブルダウンはどれだ!?

ダウンジャケットは、言わずと知れた定番の保温着です。しかしながら、汗や雨などによる濡れに弱いという弱点も。それゆえ、行動中というよりも、テント場や休憩時などの停滞時の着用を想定することが多いでしょう。このため、ザックの中で出番を待つ時間が多いのも事実。だからこそ、ザックの中に収納していても邪魔にならないコンパクトさと、負担の少ない軽量性が重要です。

そこで、今回は携行性に優れたパッカブルダウンについて、コンパクト性と軽量性を比較する選手権を開催します!どのモデルも十分に軽量&コンパクト。ハイレベルな戦いになること間違いなし!

リンゴよりも軽い! パッカブル代表選手はこの4着です

今回エントリーするのは4モデル。なんと、すべてのモデルが__250g以下!
これは小さめのリンゴ__とほぼ同程度の重量というから驚き。非常にハイレベルな戦いになりそうです!まずはじめに、各モデルの基本的なスペックをご紹介。

動物にもやさしい「ゴースト ウィスパラー2 ジャケット」(マウンテンハードウェア)

800フィルパワー※の「Qシールドダウン」を使用。ダウンファイバー自体に撥水加工を施すことにより、濡れてもロフト(膨らみ)を保ち、従来の弱点をカバー。また、ダウンはRDS(Responsible Down Standard)認証のものを使用。原料となる水鳥への強制給餌や、生きたままの羽毛の採取等を制限し、動物福祉に配慮して生産されたダウン製品であることが大きな特長です。
※フィルパワーとは、ダウンが膨らむ力のこと。数値が大きいほど多くの空気を保持できるため、暖かい。

価格:40,700円(税込)
サイズ:S~L
平均重量:236g
表地素材:ウィズパラー10デニール×10デニール リップストップ(リサイクルナイロン 100%)
中綿:ダウン(800フィルパワー※・撥水加工)

濡れても暖かさをキープ!「1000イーズ ダウンジャケット」(マーモット)

1000フィルパワーの高品質なダウンを使用。さらに、「ダウンディフェンダー」という撥水加工が施されています。未加工のダウンと比較して水濡れ時にも1.5倍のかさ高性をキープ。速乾性も高く、汗で濡れた休憩中の保温着や、湿度の高いテント内でも気兼ねすることなく着用できそうです。

価格:32,780円(税込)
サイズ:S~XL
平均重量:250g
表地素材:ナイロン
中綿:ダウン95%(1000フィルパワー・撥水加工)、フェザー5%

世界最高品質のEXダウンを封入!「プラズマ1000 ダウンジャケット Men’s」(モンベル)

1000フィルパワーの高品質なダウンを使用。表地には7デニールという極薄のナイロン素材を使用して軽量性を追求。それに加え、独自のキルティングパターンによって縫い目を減らし、高いロフトをキープ。暖かさと軽量性を両立するための様々な工夫が詰まっています。

価格:25,400円(税抜)
サイズ:XS~XL
平均重量:130g
表地素材:7デニール・バリスティック エアライト ナイロン・リップストップ[超耐久撥水加工]
中綿:ダウン(1000フィルパワーEXダウン)

プラズマ1000 ダウンジャケット

羽毛商品メーカーの安心感と汎用性「ポータブル ダウンジャケット」(ナンガ)

860フィルパワーのダウンを使用。夏山の朝晩の冷え込みにはアウターとして使えるほか、その薄さを活かし、冬山ではインナーとしても活躍。オールシーズン使いやすいジャケットです。また、高品質なクリーニングサービス(有償)など、羽毛商品専門メーカーならではのアフターサービスも魅力。長く付き合っていけるダウンジャケットです。

価格:27,000円(税抜)
サイズ:XS~XL
平均重量:190g
表地素材:10デニール・ナイロンシレ撥水
中綿:ダウン93%(860フィルパワー)、フェザー7%

【軽さ部門】身近なアレと重さを比較!

まずは「軽さ部門」です。今回のエントリーは全て250g以下。ここだけの話、比較するのが無意味ではないかと感じる程の軽量さです。しかしここではあえてランキングをつけていきたいと思います!まさにハイレベルな戦いです!

第4位:【250g】1000イーズ ダウンジャケット(マーモット)

まず第4位はマーモットのダウンジャケット。今回の中では最下位とはいえ、250gという重量は、軽量さで知られるベクターヘルメット(M/Lサイズ:実測246g)とほぼ同じ。小指でも軽々持つことができ、十分な軽さです!

第3位:【236g】ゴースト ウィスパラー ジャケット(マウンテンハードウェア)

第3位はマウンテンハードウェアのジャケット。14gという僅差で上位にランクイン。400ページほどの新潮文庫版「日本百名山(実測233g)」とほぼ同じ重量です。

第2位:【190g】ポータブル ダウンジャケット(ナンガ)

続いて第2位はナンガのジャケットがランクイン!惜しくも1位は逃しましたが、空のナルゲンボトル1L(実測190g)とほぼ同じ重さ。非常に軽量です!

第1位:【130g】プラズマ1000 ダウンジャケット Men’s(モンベル)

栄えある第1位に輝いたのは、モンベルのダウンジャケット!極限までシンプルな作りが、最軽量という結果に結びつきました。その重さなんと130g。軽量性で知られる「プリムス ウルトラバーナー」と「使い捨てライター」を併せた重量(実測129g)とほぼ同じ。まさに驚異的な軽さです!

▼続いては「収納サイズ部門」での順位発表です

【収納サイズ部門】リットル換算で容積を比較!

続いて収納サイズ部門です。こちらは全てスタッフサックや本体のポケットに収めた自然な状態で外寸を計測し、容量を算出しました。ただ、実際のパッキング時には圧縮すると思いますので、単純比較は難しいところ。しかし、ここでは参考までにランキングを発表したいと思います!

※容量については、各社付属のパッカブル(スタッフバッグ)収納時のサイズを元に算出しています。

第4位:【約2.7リットル】ゴースト ウィスパラー ジャケット(マウンテンハードウェア)

外寸:26×13×8cm

まず第4位にはマウンテンハードウェアのジャケットがランクイン。先ほどの軽量性部門では僅差で4位を免れましたが、残念ながら収納サイズでは最下位となってしまいました。本体の右胸のポケットに収納可能。

第3位:【約2.3リットル】1000イーズ ダウンジャケット(マーモット)

外寸:Φ12×20cm

第3位にはマーモットのジャケットがランクイン!軽量性部門では最下位でしたが、コンパクト性で第3位に浮上しました。付属のスタッフバッグに収納可能。

第2位:【約2.1リットル】ポータブル ダウンジャケット(ナンガ)

撮影:編集部
外寸:20×15×7cm

ナンガのジャケットが第2位にランクイン!ほぼ2リットルとなかなかのコンパクトさ。ジャケット内部のポケットに本体を収納可能です。

第1位:【約1.1リットル】プラズマ1000 ダウンジャケット(モンベル)

外寸:Φ10×14cm

栄えある第1位はモンベルのジャケット!「軽量性部門」に続き、トップに輝きました。容量はなんと1.1リットル2位の半分近くの容量という圧倒的な結果になりました。付属のスタッフバッグに収納可能。

映えある「第1回パッカブルダウン選手権」の総合1位は……

軽量性・収納サイズともに「プラズマ1000 ダウンジャケット(モンベル)」の圧勝!

収納サイズでは2位以下の半分程度のサイズを達成しています。しかも価格も最安。さすがはモンベル、驚異のコストパフォーマンスです!軽量性・収納サイズ共に、ザックに忍ばせておくのには最適ではないでしょうか。

また、全体の傾向として、軽量性と収納サイズの小ささはある程度比例していると言えそうです。収納時のサイズが不明な場合でも、軽量なものを選んでおけばある程度は問題なさそうです。

軽量&コンパクトは正義!でもベストチョイスとは限らない

最軽量&コンパクトなのはモンベルのプラズマ1000という結果になりました。しかし、この結果は軽量・コンパクトに特化しているという点での1位になります。

「ゴーストウィスパラージャケット」「1000イーズ ダウンジャケット」にはダウンファイバー自体への撥水加工が施され、冬のテント内など湿度が高いシーンでの性能に秀でています。
また、「ポータブルダウンジャケット」は、羽毛商品専門メーカーならではのアフターサービスが魅力的で、ジャケットと長く付き合っていくことが期待できるでしょう。
ダウンの生産過程にも責任を持ちたいという人には、「1000イーズ ダウンジャケット」が最適。

このように、軽量性と収納性だけでなく、様々な付加価値を検討して自分にとってのベストチョイスを探すのが重要になってくるのではないでしょうか。

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