川崎港のホテルシップ、協定締結見送り 東京五輪・パラで誘致、費用面で協議難航

客船「エクスプローラードリーム」の完成予想図(川崎市提供)

 2020年東京五輪・パラリンピック開催に合わせ、川崎港でのホテルシップを計画していた川崎市は22日、協議対象者として覚書を交わしていたアジア最大のクルーズ客船会社「ゲンティン香港」(本社・香港)と協定締結に至らなかったと発表した。

 市誘致振興課によると、ホテルシップは、ゲンティン香港から客船を借り受けたチャーター会社が運営する計画だった。しかし10月下旬に、両社間の協議が難航しているとゲンティン香港から市に連絡があった。費用などを巡って折り合いがつかなかったとみられる。

 市はゲンティン香港との協定締結後、川崎港の給水設備などを整備する予定だった。本番に間に合わせるためには早期の着工が必要な状況で、市は協定締結を見送ることにした。

 市と同社は3月、来年7月23日~8月9日の18日間、客船「エクスプローラードリーム」(7万5338トン)を川崎港東扇島に停泊させる計画で覚書を結んでいた。市は引き続き誘致活動を進める方針で、短期間のホテルシップも視野に、ゲンティン香港も含めて船会社と交渉していくとしている。

© 株式会社神奈川新聞社