にゃんぱく宣言

 ヒットしたのは40年も前の曲なのに、今も歌い出しから終わりまでメロディーがすっと浮かぶ。歌詞もほとんど、そらで言える。親しみやすく、心に残る歌なのだろう。その曲、さだまさしさんの「関白宣言」を大胆にアレンジしたCM曲がいまテレビで流れている▲タイトルを「にゃんぱく宣言」という。お気付きの方も多いに違いない。〈♪忘れてくれるな 俺の頼れる飼い主は 生涯お前ただ一人〉。さださんが作詞も作曲も歌も手掛けた▲ペットの「終生飼育」に広く関心をもってほしい。日本動物愛護協会が、よく知られ、耳に残る曲調に願いを込めたという。ACジャパンの支援広告として来年6月末まで流れる▲“猫目線”でのフレーズが続く。〈♪お前、俺の飼い主ならば 俺の体、俺より管理しろ〉〈家の外に出してはいけない〉〈飼えない数を飼ってはいけない〉…▲ペットの犬や猫を無計画に飼う。やがて数が増え、世話ができなくなる。こんな不幸なペットを生まないようにと、柔らかな調べに乗せて訴える▲さださんは「せっかく出合った生命同士。大切に大切に向かい合いたい」としている。思えば「関白宣言」では、言葉遣いは不器用ながらも、終生ずっと一緒に-と男性が大切な人に言葉を贈っている。いま流れる曲も心は同じなのだろう。(徹)

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