長崎県・対馬市ニホンミツバチ部会(扇次男会長、約70人)は23日、本年度「対馬ハチミツコンクール」最高賞の金賞に、峰町の漁業、井上雅史さん(62)を選んだ。
同部会などによると、対馬はニホンミツバチだけで養蜂している唯一の島。養蜂の歴史は古く、古墳時代には始まっていたとされる。島内の山際には「蜂(はち)洞(どう)」と呼ばれる丸太をくりぬいた巣箱が置かれ、ニホンミツバチが四季折々の花の蜜を集めることから、そのハチミツは「百花蜜(ひゃっかみつ)」と呼ばれている。
コンクールは、対馬産ハチミツを振興しようと同部会が8年ぶりに開き、3回目。島内各地から30点の応募があり、外部有識者らでつくる審査委員会が、糖度や味、外観、香りなどを評価した。
同市厳原町で同日にあった「さす農業収穫祭」で表彰式があった。審査委員長の溝田浩二・宮城教育大准教授は、井上さんのハチミツについて「香りが芳純で澄んだ琥珀(こはく)色をしており、舌触りが滑らか。非常に上質」と講評した。
トロフィーや賞状などが贈られた井上さんの養蜂暦は約10年。今年は46本の蜂洞にニホンミツバチが入った。「愛情を注いでミツバチを育ててきた。その恩返しで、おいしいハチミツをくれたのかな」と喜びを語った。
ほかの受賞者は次の通り。(敬称略)
▽銀賞 春日亀隆義(上県町)小島保美(上対馬町)▽銅賞 上野良人(美津島町)吉竹静(上県町)上野満里子(美津島町)