【MLB】ア軍“サイン盗み疑惑”に新たな「証拠」 米メディア「罰を受けるのは時間の問題」

サイン盗み疑惑が報じられているアストロズ【写真:Getty Images】

野球分析家が指摘「5月後半から空振り率が急激に減少」

 アストロズが2017年に行ったとされる“サイン盗み疑惑”について、米スポーツ専門メディア「12UP」が詳報。「スタッツ(成績、統計数値)は、アストロズが2017年のいつサインを盗み始めたかを正確に示している」とのタイトルで、野球分析家の意見を伝えている。

 記事は「アストロズのサイン盗みの証拠が次々に明らかになってきている。そして、今回、驚くべき新事実が浮上して、彼らの疑惑はますます深いものとなった」と指摘。有識者の意見として「どんな球種が来るのか、打者があらかじめ分かっていれば、打者のプレート・ディシプリン(打者の選球眼などについてのデータ)の分野で最も大きな助けなる。また、特にストライクゾーンから大きく外れた空振りの確率が減るとされる」と紹介し、「アストロズに関するあるデータを見てみると、サイン盗みは2017年5月後半から始まり、その成果がすぐに出たことを示している」と伝えている。

 記事は次にデータ分析の専門家ロブ・アーサー氏のツイッターを紹介。アーサー氏は「アストロズのサイン盗みは5月後半から始まったようだ。そして、アストロズのオフェンスはそれと同じ時期に好調になった」と指摘。そして「2017年5月後半、アストロズの空振り率が、驚くほど低下した。そして、それは、ビデオで、初めてダグアウトからの『あの音』が確認された時とピッタリと一致するのだ。アストロズの空振り率は、2017年シーズン最初の月は約28%だったが、5月半ばに約21%に落ち、残りのシーズンその数字をキープした」と分析している。

5月後半以降は「打率、出塁率、長打率も改善」

 記事はさらに野球の分析専門サイト「ベースボール・プロスぺクタス」の編集長クレイグ・ゴールドスティン氏による「アストロズのサイン盗みは5月の半ば頃から始まったらしい。なにか変わったか見てみよう....なんてこった」とのツイッターを紹介。「ベースボール・プロスペクタスによると、『あの音』が始まる前のチーム成績は.272(打率)/.340(出塁率)/.425(長打率)だったが、シーズンの終わりの成績は.282(打率)/.340(出塁率)/.478(長打率)だった。とくにパワーの分野で大きな向上が見られた。結局、どんなボールが来るかが分かっている場合、オフスピードのボールを打つのはより簡単になる」と伝えている。

 記事は再びアーサー氏のツイートを紹介。「速球ではないことを知らせる『あの音』が聞こえ始めた丁度その時期、空振り率、明らかにストライクゾーンを外れた、ボールになりそうな球への空振り率などを含めた多くのプレート・ディシプリンのメトリックスが大きく向上した。これが偶然だとは思えない」と指摘。「実際、過去7年のシーズンを調べてみると、5月の終わりにプレート・ディシプリンのメトリックスがこのように大きく改善をしたチームはアストロズ以外いない。その上、打球の(発射)速度、発射角度、打率/出塁率/長打率も改善している」と断じている。

 記事は「このデータはアストロズのサイン盗みのさらなる証拠となる」と断言。「このデータを見ると、アストロズが突然打席で第六感を発揮できるようになったか、インチキをするようになったかだであろう。前者は、おそらくあり得ないだろうが」とし、「スタッツは嘘をつかない。彼らがこのことで罰を受けるのは時間の問題だろう」と伝えている。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2