WRC:トヨタドライバーたちがラリー・ジャパンへ展望。「これを契機に日本メーカーが復活したら最高」

 2019年のWRC世界ラリー選手権でドライバーズチャンピオンに輝いたオット・タナクや、チームメイトのヤリ-マティ・ラトバラ、クリス・ミークなど、TOYOTA GAZOO Racing WRTのクルーたちが、2020年11月に復活開催される『Rally Japan(ラリー・ジャパン)』に向けてコメント。ミークは「これをきっかけにトヨタ以外の日系自動車メーカーがWRCに復帰してくれたら最高」と期待感を示した。

 2010年を最後に開催が途絶えていたWRCの日本ラウンドは、2020年11月19~22日に愛知・岐阜両県を中心としたターマック(舗装路)イベントとして、10年ぶりに復活開催される。

 2019年シーズンの戦いを終え、日本へ凱旋したTOYOTA GAZOO Racing WRTのクルーたちは、20日(水)に行われた取材会のなかで、ラリー・ジャパンへの展望を次のように述べた。

「これまでラリー・ジャパンを走ったことがないから、本当に新しい経験になるだろう」と語ったのは、2019年チャンピオンのタナクだ。

「トヨタは日本でもっとも大きな自動車メーカーだと思うし、そんなトヨタの地元で開催されるイベントだから、ファンにとっても特別な1戦になることは間違いない」

「ラリーという競技は、さまざまなコンディションや刻々と変わる条件のなかで争われる唯一のモータースポーツだ。今までラリーを見てこなかった人にも、そんな状況のなかを、いかにラリーカーが速く走っているのかを観てもらいたいね」

 タナクとコンビを組むコドライバーのマルティン・ヤルヴェオヤは「ラリーはふだんの生活のなかで、多くの人々が使っている道路が舞台。そんな道を“ふつうじゃない”ラリードライバーがどうやって走るのかを見てほしいね(笑)」と公道で争われる競技ならではの魅力を語った。

 2010年までの北海道を舞台にしたラリー・ジャパンに参戦経験を持つラトバラは「日本は特に熱心なファンが多い印象がある。札幌でラリー・ジャパンが行われたときはロードセクション(リエゾン/移動区間)でも多くのファンが旗を振ってくれていたし、手作りの被りものなどのグッズも身に着けてくれていた。2020年のラリー・ジャパンでも同じような光景が見られると期待している」とコメント。

 ミークは「日本の人たちはラリー・ジャパンを復活させるだけ、ラリーに情熱があることは確か」としたあと、「これをきっかけにトヨタ以外の日系自動車メーカーがWRCに復帰してくれたら最高だ」と、日本メーカーのWRC活動再開についても期待感を示した。

 日本のファンだけでなく、現役ラリードライバーもさまざまな期待が寄せられているラリー・ジャパン。開催まで1年を切っているが、まずはどんなステージ構成となるのか続報が楽しみなところだ。

2020年ラリー・ジャパンへ向けたリハーサルイベントとして開催されたセントラル・ラリー愛知/岐阜2019

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