快挙は「4年間の経験値」 ラグビー人気持続へ情熱を 元日本代表大野選手らシンポジウム

今後の日本スポーツ界について持論を語る大野選手(中央)と石島選手(左)=川崎市多摩区の専修大学生田キャンパス

 世界で通用するスポーツ選手の育成をテーマとしたシンポジウム「日本基準から世界基準へ」が21日、専修大学生田キャンパス(川崎市多摩区)で開かれた。ラグビー元日本代表の大野均選手(41)ら現役のアスリートや研究者が登壇。日本スポーツ界の未来について議論した。

 今月閉幕したラグビー・ワールドカップ(W杯)で史上初めてベスト8入りを果たした日本代表。大野選手は後輩たちの快挙の要因を「4年間の経験値」と語る。「前回以降、世界トップ8の全チームと試合を重ねた。強い国と体をぶつけて日本の立ち位置を把握できたことが大きい」と総括した。

 最高潮の盛り上がりを見せた今大会だが、大野選手は「この注目度を持続させなければいけない。日本ラグビー協会の力にかかっている。情熱を持って取り組んでほしい」と注文。日本スポーツ界全体の発展については「世界で勝たなきゃ人気は出ない。子どもが興味を持つことで育成年代の底辺が広がり、好循環が生まれる」と持論を述べた。

 他競技からはバレーボール北京五輪代表の石島雄介選手(35)が登場。2016年からビーチバレーに転向して東京五輪出場を目指しており「ビーチバレーは海外ではチケットが取れないくらい。来年の東京五輪で魅力を伝えていきたい」と意気込んだ。

 同大スポーツ研究所が08年から実施しているイベントで12回目。学生ら約700人が熱心に耳を傾けた。

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