初の「インバウンド薪能」開催へ 外国語で解説やパンフ

昨年の「大山火祭薪能」で演じられた能「安達原 白頭」=伊勢原市大山の大山阿夫利神社社務局能楽殿

 300年の伝統を誇る神事芸能「大山火祭(ひまつり)薪能(たきぎのう)」が10月2、3日、伊勢原市大山の大山阿夫利神社社務局の能楽殿で開かれる。同神社などでつくる実行委員会は、指定席と自由席の観覧者を募集している。

 来年開催の東京五輪・パラリンピックに向けて日本文化をPRする「日本博」の関連事業に薪能が採択されたことを受け、ことしは外国人観光客も楽しめるように初の「インバウンド薪能」として開催。イヤホンガイドによる外国語の解説や、英語併記のパンフレットを販売する。

 大山では江戸期に特有の能楽が生まれたとされ、一時途絶えたものの1981年に火祭薪能として再興した。現在は市重要文化財に指定される。大山の自然を背景に舞う能は、見る者を幽玄の世界へいざなう。

 両日とも午後4時開演で荒天中止。演目は、2日に26世観世宗家の観世清和さんによる「土蜘蛛(つちぐも)」、3日は観世流能楽師の山階彌右衛門さんによる「紅葉狩(もみじがり)」が演じられる。

 両日とも、大山地区の子どもたちによる「大山神楽舞(かぐらまい)」も披露される。各日中学生以上の1200人を募集し、申し込み多数の場合は抽選となる。

 料金は指定席が3500円、自由席が1500円。席の種類で申し込み方法が異なり、指定席は電話で、自由席は往復はがきで実行委に申し込む。いずれも解説パンフレットが付く。

 問い合わせは実行委電話0463(95)2006、または市商工観光課電話0463(94)4729。

© 株式会社神奈川新聞社