大和市が市立病院に10億貸し付けへ 運転資金不足の恐れ

大和市役所

 大和市は市立病院(同市深見西)の運営を支援するため、10億円を貸し付ける。人件費や設備投資額が膨らみ、年度末に病院の営業運転資金が不足する恐れが生じたため。市の退職手当引当基金から一般財源に繰り入れて貸し付ける異例の措置を講じる。

 市は、26日に開会する市議会第4回定例会に、15年の長期貸付金を計上した2019年度一般会計補正予算案を提出する。

 市によると、医療従事者の働き方改革に伴って人件費が増えたほか、拠点病院として必要な設備投資もかさんだ。さらに、19年度の病床稼働率も想定を下回る見込みになっている。

 病院は、看護師給与や非常勤医師賃金が増えたことなどが収益を圧迫し、18年度の事業会計決算で、約6億7千万円の赤字を計上。単年度決算では3年連続の赤字で、累積赤字も77億5600万円に上っている。19年度も現時点で、前年度と同規模の赤字額が見込まれるという。

 市監査委員は、決算審査意見書で「病床稼働率は改善したものの、目標を下回っている。いずれの指標も年々低下し、財務安定性について好ましい状況ではない」と指摘していた。

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